わたなべ けい
渡辺 圭
専門分野 | 木工 家具製作 |
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最終学歴 | 武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科 |
研究テーマ | 伝統的な家具製作の技法を踏まえ、これからの木工のあり方、可能性を考える。 国産材の現状を調査し、活用法を模索する。 |
経歴
1979年 福岡県北九州市生まれ 建築士の父親の影響で幼少期よりものづくりに興味を持ち、簡単な木工や工作などに夢中 になる。 2002年 武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業 グラフィックデザイン事務所に入社し、企業のパンプレットや本の装丁などの仕事に携わ る。クライアントの要望に答え、画面を構成していき、印刷物として出来上がっていくこ とにやりがいは感じていたが、やはり画面上での作業が多く、もっと手触りがあり永く残 っていくものづくりをやっていきたいと思うようになる。住んでいたワンルームの家具を DIYで作るのをきっかけに、もっといいものを作りたいと家具製作を仕事にすることを決 める。 2004年 埼玉県立飯能高等技術専門校木工科へ 一年間の職業訓練終了後、横浜元町の特注家具製作工房にて製作、現場取り付け、塗装な どに携わる。 2008年より宮崎県の指物工房矢澤にて修行。ナラ、ひのきなどの無垢材のみを使用した家 具製作や、拭漆による家具塗装に携わる。 2011年4月 福岡県北九州市に501FURNITURE 設立。 横浜、宮崎などで修行して身につけた技術、知識を組み合わせ、ナラ材を中心とした無垢 材のオーダーメイド家具を中心に製作。2014年頃からは親子向けのワークショップを定期 的に開催し、2017年〜2019年には公共施設や自治体、地域振興などを手がける企業と協働 するプロジェクトなども開催。 ワークショップなどを開催する中で、自身の体験からも、幼少期からものづくりに触れる ことの重要性を感じ、木育について興味を持つようになり、2017年に北九州で開催された 松井勅尚先生の木育指導者セミナーや、翌年の埼玉県秩父市での木育サミットに参加。 また森林資源の豊富な日本において、目の前に森があり、木があるのにそれをどうして使 うことができないのかと、地域材の活用について模索するようになり、久津輪雅先生主催 でアメリカ人グリーンウッドワーカー、ジャロッド・ダールさんが講師をされた講座、 「ONE TREE」などに参加。自身のグリーンウッドワークの製作や北九州市の公園での講座 などの活動につながる。 2019年 森林文化アカデミー非常勤講師「収納家具」を担当。 2019年9月 グリーンウッドワークとこれまでやってきた木工の違いに驚き、新しい切り 口で自分自身の木工の世界を広げることができればとアメリカウィスコンシン州のジャロ ッドダールさんの工房で3週間の木工修行。 2020年 森林文化アカデミー講師に就任。 (経歴のエピソードを20周年記念インタビュー記事で公開しています!)
専門分野への思い
これまで家具職人として自分自身の家具づくりに対してこだわりや強い想いを持ってやっ てきましたが、家具材の高騰や需要の変化などにはいつも注意を向けていました。 自分自身の作りたいものと、世間のニーズに折り合いをつけていき、仕事を維持していく のはとても難しいことだと思います。新しい技法や道具、材料などの情報を常に取り入 れ、これまでにない価値を持ったものづくりや仕事のジャンルそのものを探していけたら と思います。 そのために作る技術を高めていくことも必要だと思っているので、技術と幅広い知識を持 った人材の育成を目指し、自分自身の製作技術の向上にも努めていきたいと思っていま す。