木工専攻
卒業生の進路

清水 貴康

伝統技術を引き継ぎ ⽊製品の良さを再発⾒できる商品・機会を提供

プロフィール

1985年生まれ 岐阜県各務原市出身 18期生 「曲物工房清水」代表 中部大学にて経営学を学んだ後、地元の信用金庫にて10年間勤務。「減少傾向にある職人に歯止めをかける為、微力ながら貢献を」と岐阜県立森林文化アカデミーに入学。卒業後は修業期間を経て、2021年9月に地元である岐阜県各務原市に「曲物工房清水」として工房を立ち上げ、日々製作に励む。


質問1)今の仕事内容を教えてください。 

曲物を製作する工房を営んでおります。

「曲物」とは古くから親しまれている生活雑貨であり、主に製作しているのはお弁当箱やお櫃、蒸籠などです。木を曲げて作ることから「曲物(まげもの)」と呼ばれています。

質問2)今の仕事で大変だなと思うことと、やりがいを感じることを教えてください。

自分で「やる」と決めて始めた道なので、大変だなと思ったことはあまりありません。

しかし、製作する上で見つかる課題やそれに伴う先方とのやり取りなどは大変だなと感じることはありますが、その課題を解決するように試行錯誤していることにこそやりがいを感じています。

質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?   

「木製品の良さを再発見できる商品・機会を提供していること」だと考えています。

手入れ等の面で取り扱いが難しく一度は影を潜めていた曲物が、木製品ならではの吸湿性を生かした製品であるということをアピールし、再びスポットを当てる活動をしているということは社会的な意義があると感じています。

質問4)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?  

一般的な職業訓練校とは異なり、多くのカリキュラムがあり、技術はもちろんのこと木に関する様々な知識を蓄えることができると感じました。

また自身の視野も広げることができる学校だと感じ、アカデミーへの入学を決めました。

質問5)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか? 

多くの樹種の分析や多種の接着剤、塗料を使用させていただけたことです。

曲物の業界に入ってから分かったことですが、他の職人の方々は自身が取り扱いしている樹種、塗料、接着剤以外については意外と知らないという人が多いです。「この接着剤との相性はどうか」等私に意見を求めてくださる機会も多く、アカデミーでの学びが会話の助けともなり、スムーズに業界に入ることができたきっかけにもなっています。

質問6)専門分野以外の授業やプロジェクトで、役に立ったものはありますか? 

エスキース(デッサン)の授業です。

早朝に短い時間ですが、ワインボトルなど様々なものをデッサンしました。「なぜ木の専門学校でデッサンを?」とは内心思っていましたが、ものをいろんな角度で見る力の重要性を感じたとても良いプロジェクトでした。

質問7)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは? 

一緒に学ぶ同級生の存在です。

大学卒業したての20代や新たなセカンドキャリアを目指す50代まで幅広い年齢層なだけではなく、全国各地から集まった人たちが「同級生」というくくりで一緒に勉強します。ライフステージや考え方、文化もそれぞれ違う人たちが、課題解決に向けて意見を出し合う…。これ以上刺激的なことはありませんでした。

質問8)アカデミー入学前の仕事が、今に活きていると感じることはありますか? 

私は地元の信用金庫に10年間勤務していました。長期間にわたり多くの経営者様の会社経営というものに触れてきたという経験は立場が違っていても大変役に立っています。

質問9)今の仕事をしていく上でのモットー、若い人へのメッセージは?

今の仕事が自分にピッタリ合っているかどうかの正解はわかりませんが、近づけることはできると信じています。

このような環境にいれるのも、岐阜県立森林文化アカデミーが「さまざまな選択肢を与えてくれる場」だったからだと思います。

私は多くの周りの支えによってここまで来られたと思っております。

多くの方々への感謝を忘れず、ご自身を徹底的に精査し、皆さんにとっての最適解を探してください。

・曲物工房清水HP

https://magemonoshimizu.com/

・Instagram(@wapper_shimizu)

https://www.instagram.com/wapper_shimizu/?hl=ja

・Facebook

https://www.facebook.com/takayasu.shimizu.3/