高性能林業機械を運転する資格を取得しよう3(機械架設編)
梅雨の晴れ間で、ようやく高性能林業機械のスイングヤーダを使って索張りができる日が来ました。
本校が所有するスイングヤーダは、0.45m3のベースマシーン(約14t)にイワフジSW302を装備しており、約200mの距離を集材することができます。
この実習で最初に機械の周りに集まってきたのは、クリエーター科林業専攻の学生6名でした。
初めて見るワイヤドラム、専用の搬器、大きな滑車(直径6インチ)、荷掛け用フックに興味津々です。
先ずは、広場にあるメタセコイヤの木を使って滑車を2個取り付けます。(左下写真)
非常に強い力で引っ張ることができるので、先柱が倒れないようワイヤロープ(控え索)で後ろの木に固定します。
続いてスイングヤーダ側に移動し、専用搬器に2種類のワイヤロープを通し、先柱の滑車と組み上げれば、架設作業は完了です。
架設ができたら、試運転をします。荷を吊らない空搬器の状態で搬器を先柱に移動させたり、地面に降ろしたり、再びスイングヤーダ側に戻したりして、スムーズな動きか、変な音はしないか、先柱が異常な揺れ方をしないか、いろいろな点を注意深く確認します。
その後、安全に運行できることを確認し学生を順番に乗せ、運転操作をサポートします。
慣れてくると先柱側に荷掛手を置き、無線機でやり取りして操作します。
スイングヤーダの運転手は、先柱側の荷掛者の無線指示でワイヤを出し入れし搬器を動かします。ワイヤ操作は「ジョイスティック」と呼ばれる棒を決まった方向に傾けるだけで、簡単にワイヤドラムを操作することができます。力が要らないので初めての女性でも楽に運転できます。
ここまでのことを覚えてもらうため、次の手順で実習してきました。
①テキストで挿絵を見て解説する。
②小テストで出題し、絵を描く。
③屋内で滑車、ロープ等の簡易機材で模擬架設し理解度をチェックする。
④屋外の作業しやすい平坦地で実際のスイングヤーダを架設してみる。
機械が初めてで怖がっていた学生でも、ある程度は理解し慣れてくれるようです。
今度は、演習林の現場で伐倒した原木をスイングヤーダで引き寄せてみましょう!
林業専攻教員 池戸 秀隆