農林高校の先生も学ばれています。
岐阜県の農林高校(岐阜農林、加茂農林、恵那農業、飛騨高山、郡上高校)の森林科学系の先生方による林業に関する研修を実施しました。最初は岐阜農林高校の岡田先生から、今回の研修主旨について説明。
講師陣は萩原ナバ先生、新津ユタ先生、そして外部講師として江崎林業の江崎尚史さん、アシスタントのJIRIです。
ナバ先生のイントロに続いて、ユタ先生による『スティックを利用したアイスブレイク』です。
「たかが木の枝」と思っていた先生方ですが、これが試練の幕開けです。簡単そうで、なかなか自分一人ではうまくできません。
何回かの挑戦を経て、「周りの仲間のことも考えて、自分のやるべき事をする」ことに気づき、大成功。
続いて、スティックの一つを人差し指の上において、全員が触れたままバランスを取って下まで下げてくる。これまた自分一人ではどうしようもない。みなで気持ちを一つにすることの重要性を実感です。
さて、アイスブレイクに一時間以上も費やしたので少々遅くなりましたが、お昼前に山に到着です。
最初はJIRIの「木のものまねストレッチ」をして、続いてナバ先生が全員で生きた木を再現するゲームです。単なる遊びのように見えるけど、よく考えれば奥深く、仕組みを理解するのにうってつけです。
言葉で木の仕組みを解説するのではなく、体感しながら木について振り返る。これが分からない人が多い。
午前中の仕上げは、「選木」です。
『一本間伐するとして、この森をどう利用するために、その木を伐採するのか』をチームになって考え、間伐僕に印を付けます。
各チームが「どのような理由で間伐木を選木したのか」を発表し、今回はそのうちの一本を伐採することとしました。
午前中はここでタイムアウト、昼食のために下山すると既に13:00近くでした。
昼食後は江崎さんによる『山の道具講座』、ナタ、手鋸、ツル、トビ、与岐(斧)など、どのような利用方法か。安全に利用するためにはどう使うのかを講義しながら身振り手振りで解説してもらいました。
そして外に出て、トビの実践講座です。トビはどう利用するのか、木材の動かし方は、二人で使う場合はどうするのか。見本を示した後は、先生方の実践です。
道具の使い方を一通り学んだら、次は山で伐採木に略儀例のお払いです。
江崎さんと女性の教員二人が先導して、山の神に伐採のお願いをします。この時ばかりはみな、木が引き締まる思いで柏手を打ちました。
伐り与岐で受け口を掘ったら、伐倒方向の確認です。この方向でOKですか?
「いや、もう少し右側を深く」などと検証しながら、次の一手を検討します。
そして、再度、与岐を少し入れ直して、軌道修正しました。与岐を振るった先生は初めての割りには、手元も受け口もしっかりとうまく堀り進められました。
続いて、「追い口」です。
追い口はナバ先生がイギリスの環境教育で利用しているからと、購入してきた二人挽きの鋸です。見た目に反して、鋭い切れ味で、サクサク切れました。
ここでは単に伐採するだけでなく、伐採木の樹高予測も実施しました。何人もの先生が、梢の位置を予測して、杭を立てました。
伐採したヒノキの梢は切り株に挿して、その間の丸太を頂いたことを報告し、みなで記念撮影しました。
中央の右寄りの切り株に、梢が挿してあるのが確認できますか?
今回研修参加された先生方で記念撮影し、丸太を造材してみなで担いで降ろしました。
最後に、本日の振り返りです。
今回の研修についての印象は? 学んだことは何か?
機械利用でなくても、プログラムとして実施価値を再確認された先生もおられました。
さて、次回、11月はチェンソー操作の研修です。そして12月は生徒さんへの指導発表です。受講された先生方、指導された先生方、本日は大変暑い中、ありがとう御座いました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした