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2018年10月21日(日)

結露のリスクをいかに減らせるか。(パッシブデザイン設計法 復習編)

パッシブデザイン設計法 復習編はついに4回目。

本日は、ひたすら防露設計を学びます。手計算で危険度判定をしつつ、目に見えない水蒸気を動きをイメージして、どこで結露のリスクが上がってくるか勘所を養います。

防露設計手法には、簡単な危険度判定から、時々刻々と変化(非定常)した場合の複雑な計算まで様々です。

例えば非定常計算ではどうなるか、、、アニメーションで屋根の中の動きを観察します。

一般によく使用されている安価なグラスウール(右)と、少し高価ですが新聞紙の再利用のセルロースファイバー(左)の比較をしてみました。

赤が温度変化、黄緑が湿度変化を表していますが、蓄熱や蓄湿の高いセルロースは屋根内部の動きが穏やかです。

特に蓄湿(調湿)の効果で夏型内部結露に関してはグラスウールより危険度が低めです。

非定常計算は、外気や屋根表面温度の変化から、どちらに熱や湿気が流れているかがわかるため、実際のイメージに近く理解しやすいです。

また、手計算では、ペアガラスとシングルガラスの表面温度を計算しました。明らかにシングルガラスの表面温度が低いです。今朝の恵那の外気温は5℃程度とのことで、そろそろ結露の可能性が高まっています。

壁や屋根に関しても、各部の仕様がわかってくると、温度や湿度が計算によって確認できます。

ただ手計算では、結構手間がかかりますので、おおよその考え方が理解できたらあとはコンピュータの仕事。

後半は、私が作成している結露計算ツール(定常計算)でいろいろな仕様を入れてどのような状況かを見ていきました。

アカデミーの外壁構成では、ここ美濃市では結露のリスクが少ないですが、高山にこのまま移設すると結露する。では同対策すればいいかなど、簡単に判別できます。

他にも、これまでやってきた部位構成のリスクなどもいれてみて、同課など数十種類の壁や屋根、床の判定をしていきました。

外気温や室温、各部位の構成で結露のリスクがどの程度かの勘所が身についてきたのではと思います。

次回は、いよいよエネルギーの話題に入っていきます。

准教授 辻充孝