第2回「キャリアカフェ」開催しました。
クリエーター科1年を対象とした、キャリアカフェの第2回目が6月14日に行われました。
第2回目のキャリアカフェでは各務原市の木材団地内に本社・工場を構える親和木材工業株式会社から古田元代表取締役社長、古田剛士取締役本部長、今井取締役統括部長にお越しいただきました。
まず最初に親和木材という会社がどのような活動を行っているのかスライドでご紹介いただきました。
会社の原点はピアノやギター生産の協力工場として稼働しており、音を発する楽器という精密なものづくりをしてきたことです。親和木材における主な事業の1つとして内装ドアを生産していますが、その生産工程において特徴的な部分が何点かありました。1つは木材の使い方について、正しく木材を使えば狂わないという考え方のもと、製材・乾燥工程を行っています。乾燥においては天然乾燥と人工乾燥を行っています。全19室もある人工乾燥室をそれぞれ徹底的に絶乾法という方法で管理し、狂いをなくすよう取り組んでいます。また、搬送・塗装工程においてはロボットを使用しています。これは古田社長が以前に自動車産業に従事されていた際にロボットによる塗装を目にしていた背景のもと、ドアの塗装でのできないはずはないと始めたものでした。当初、専用のロボットを製作してもらえる企業が見つからず苦労をしたとのことでした。この発想の転換には出席者も驚いていました。
また、近年では昨年にウッドデザイン賞を受賞した親和生産システム(日本の面積の約7割を占める森林を「貴重な資源」として捉え、独自の生産システムを構築し、その資源を大切に利用することを提唱し、実践。丸太から、製材・乾燥・加工と一貫した生産体制により、その「貴重な資源」を創意工夫で余すところなく利用、活用し製品を全国へ販売。)のもと、国産スギの間伐材などを積極的に活用しています。丸太を山から直接仕入れ、自社で選別を行い、製材を行っています。製材の際にも、歩留まりを極力上げ、付加価値を上げた商品を制作しています。製材・乾燥技術に非常に長けているため、全国から引き合いがあり、地産地消の木材製品の生産を行っている点についてご紹介いただきました。
その後の質疑などに対しては、「木工屋」であることへこだわり、丸太から製材した板を機械が選別するのではなく、人が選別することで付加価値をつけていくことを大切にしているなどお話をいただき、いかに価値を高め、さらには山へ還元してくことができるのかを常に考えてみえるようでした。
最後に、空気清浄機についてご説明いただきました。木材の潜在能力を活かした商品とのことで科学的な知見も大学と共同研究を行い証明しています。
しかし、デザイン的な部分など足りていない面を感じていることから、学生に対して意見を求めてくださいました。まだまだ親和木材としても機械の稼働率を上げていくための営業力、デザイン力を高めていきたいとのことでした。
森林を資源として捉え、山へ還元していくために、国産材の活用をどのように考えていくか、木材利用において、付加価値をどのように高めていくことができるのかなど、非常に勉強になる回になりました。
学生の中には早速インターンシップのお願いをさせていただいた学生もおり、会社の取り組みや古田社長の思いなど、またさらに強く感じることができるかと思います。
報告:クリエーター科2年 古山 智史
(キャリアカフェ担当 松井 勅尚)