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2016年11月11日(金)

科学の目で森林を観察し、施業を考える

クリエーター科林業系の新設科目『森林施業と森林生態』で、二日にわたって演習林で森林を観察しました。この科目の趣旨は、「森林施業(造林・育林)の基盤となる様々な森林生態学的な知見を(現地で)学び、それがどのような施業に結びついているのかや、それを今後の施業にどう活かすかを考えてみる」ことです。

 

開設したばかりの作業道脇で、土壌断面を見たり、発生した実生稚樹を見たり。

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植栽2年目の造林地で、再生した植生や発生した萌芽や実生稚樹を見たり、下刈りを考えたり、シカ食害を考えたり。埋土種子、散布種子、種子散布様式、更新面、初期成長速度、パイオニア、シュート伸長などなど、キーワードは盛りだくさん。

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数少ない天然生林では、種組成を調べたり、階層構造を見たり、リターの分解を見たり、競争~枯死の動態を考えたり。落ち葉を除けたら、ノネズミが隠したであろう穴の中で幼根を出しているコナラのドングリを発見したり。

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二日間、大きなテーマの一つとして、ずっと光と樹木の成長の関係や階層構造に着目してきました。最後に訪れたヒノキ・スギが樹下植栽されている100年生ヒノキ林では、改めて樹木にとっての光環境を考え、二段林施業や択伐林施業を考え、人工林の更新を考え、生産目標や林業経営を考えました。

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これまで座学で学んだことが実感でき、現物を目の当たりにして具体像としての施業に結びついたでしょうか。

 

報告:横井秀一