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2018年06月15日(金)

森のようちえん指導者スキルアップ研修〜1回目 〜ウィルダネス・ファーストエイド〜

森のようちえん指導者スキルアップ研修 第1回目は

【野外救急法】について

ウィルダネス メディカル アソシエイツ ジャパンWMAJ(Wilderness Medical Associates Japan)

から2名のスタッフが、楽しく・分かりやすく【野外救急法】の必要性を教えてくれました。

 

現在の日本の救急システムは非常に優秀で、市街地であれば通報から救急車が現地にたどり着くのが平均8.6分という世界でもトップレベルだと言われています。

しかし、それは市街地での話。野外で活動している皆さんのフィールドでは如何でしょうか? 医療機関で処置を受けるまでに時間を要する環境にあることを「ウィルダネス状況下」にあるとして、その状況で何を優先して行うべきなのか?シチュエーションを想定して研修は進んでいきます。

 

 

 

救急法は頭で覚えるよりも体験してみるのが一番ということで、外に出て脈・呼吸・出血の確認から

 

赤ちゃんの脈は大人と同じ頸動脈よりも、わきの下で確認する方が確認しやすいそうです

 

あらら、人が倒れています!何が起きたのでしょうか?

血を出し倒れている人に駆け寄ります

倒れている人を発見しても 何が起きて倒れているのか分からない場合がほとんどです。その際にどんな確認をするべきなのかも、状況確認・状態確認・より細部の確認の順(傷病者評価システム)で優先順位の高い項目から確認していきます。

※本当のケガではなく、お手製の血のりを使用していますのでご安心を!

当事者になると、慌てて目に見えるケガだけに意識が行ってしまいがちですが

服で隠れた箇所にも大きなケガが潜んでいる場合もあります(子供の場合は特に)

しっかりと落ち着いて声をかけ、他に異常がないかも確認していきます

辛そうな状態の傷病者をみかけると、寝かせて安静にしなくては!と思いがちですが、実は傷病者にとって一番楽な姿勢をとらせてあげることが、悪化させない大事なポイントです。(自然と負担の無い体勢をとろうとしている為)

 

ウィルダネス状況下にある野外での被災時に、その場で1時間救急隊が来るのを待ち病院へ搬送するのか?緊急度が比較的低いので、30分かけて最寄りの病院に連れていくのか?

傷病者が発生しても「都市部」と「野外」では状況が異なります。一般的な救急法講習では教えてもらえない様々な要素がありますが

今回の研修では技術よりも、命を守るための【判断基準】に重点を置いて説明をしてくれたのが印象的でした。

何かあった時だけでなく、野外活動を実施していく際に今は「ウィルダネス状況」にあるんだという認識がリスクマネジメントにも繋がり、様々な対策にも繋がる事でしょう。

 

今回のブログでは書ききれませんが、他にも頭を打った時の状況判断・アレルギー反応の深刻度・感染の予防・骨折の際の対処法など非常に濃密で盛りだくさんな内容でした。なぜなら、通常は20~40時間かけて行うカリキュラムを1日に凝縮して実施してもらったのです。

 

とっても充実した研修に協力いただきました

講師の寺田さん・坂本さん

岐阜県林政部恵みの森づくり推進課のみなさん

野外自主保育「森のだんごむし」のみなさん

本当にありがとうございました!!

 

 

報告

森林文化アカデミー

教員 新津裕(ゆた)