伐ったど~!直径60cmのコナラ
こんにちは、JIRIです。 エンジニア科1年生の実習、本日は非常勤講師に江崎林業の江崎尚史さんをお迎えした『伐木造材実習』です。指導教員は杉本先生、池戸先生、津田先生、JIRIで、シロスジカミキリやマンネンタケに侵されたコナラの伐採です。
今回は切り株をタワーヤーダー設置時に利用できるよう高く残して欲しいとの依頼があり、高めに伐採です。
既に昆虫や菌類に侵されて枯れつつある直径60cmのコナラは事前に大きな枝2本を先行枝下ろししてあります。
まずは伐採に際して、江崎林業式のお祓いをしました。最初に清めの塩を左、右、左の順で、日下部くんが実施。
次いで、坂井さんがお神酒を同じ手順で実施。一説には、お神酒で木が酔っ払っている間に伐採するという考えもあるそうです。
これが終了したら、全員で二礼二拍一礼という手順でお祓いを終えました。
次に、伐採の手順確認と全員の動きの確認です。伐採者、伐倒方向、安全確保、造材手順など『段取り八分』ができていれば、作業は容易なのですが、実施となるとなかなかうまくいきません。
伐採者は実家のお父さんが林業の会社を経営している宮本くん。コナラの幹には上下に、裂け止めのワイヤーを設置しました。しかし、依頼があったとは言え、切り株を残すよう高めに伐採するのも一苦労です。
硬いコナラ材ですが、ソーチェーンの目立てがうまく、予想以上によく切れていました。
江崎先生のアドバイスを受けながら「受け口」を伐り出しますが、内部はマンネンタケの腐朽菌が蔓延していました。最初はノーマルな受け口を作成しました。
次に、幹の裂け止めも考慮して、受け口の下面を再度伐りなおして受け口を80度程度のオープンフェイスに仕上げました。
最後に追い口です。18インチのガイドバーでは一度に切れないので、幹を半分ずつ伐ります。最初に切った追い口には黄色いクサビを打ちました。そして残った半分を伐り進めます。
このコナラは引っ張りアテがあるため、材の強度がアテ側と反対側で違います。そのためにどのようにツルを残すのか。それを考えながらソーチェーンを入れる必要があります。
コナラが倒れると轟音が響き、一瞬でしたが気が引き締まりました。学生たちは切り株を観察したり、チェンソーの入った順序観察したり、木材腐朽菌の入り方を観察したりと、生きた標本に目を輝かせていました。
坂井さんが指すコナラの切り株、この木材は幹は2玉分を製材して木工利用するため、吉野先生と久津輪先生が現場で立会。
その上の部分も木工やシイタケ原木、炭焼き、薪として利用、最後枝葉は週末のキャンプにくる子どもたちのため、ナバ先生が学生とともに回収してくれました。
シロズジカミキリに侵された部分を津田先生が観察され、幼虫を見せてくれました。昔の人はこれを食べたよね~!
伐採と後かたずけが済むと、今の作業について江崎先生から講評があり、午前の作業を終えたのです。
さて、今回の伐採は学校のテクニカルセンターに倒壊してくる前に伐採する使命でしたが、順調に作業できたのも『段取り八部』があってのことと感じました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。