令和2年度第7回岐阜県地域森林監理士養成研修を開催しました
- 地域課題研究 中間発表 9:00〜10:45
この研修では、受講生が実際に地域の課題解決に取り組むことが研修内容として盛り込まれています。この日はその『中間発表』でした。
地域課題の内容は、
「森林環境譲与税を活用した森林経営管理法の推進」
「林業に適した森林の判断基準の検討 」
「意向調査でのS市版令和2年度ルールブックを作成する 」
「T市における森林環境税(譲与税)を活用した森林整備の進め方の提案~特に意向調査の実行と回答を受けての具体的な動き方について~」
の4課題でした。
受講生のひとりは、自らが席を置くS市役所において、意向調査の方針決めに課題が多く、複雑であることから進まない状況を課題として、「意向調査を進めるうえでの具体的な課題」「そのリスク」を整理したリストを作り、それをもとに市役所と協議を重ねて決めた方針を、ルールブックとしてまとめる発表をしました。
質疑応答では、
「市役所の方とは連携しないのですか」
「成果物のイメージはどういうものですか」
「それはルールブックではなく、方針書といった方が適当なのでは」
等、質問や意見がでました。
受講生は、この日の意見を参考にさらに内容をブラッシュアップしていきます。
- 経営手法(森林経営計画、経営資源の活用) 10:50〜12:10
森林整備課担い手企画係 技術課長補佐兼担い手企画係長 山田 真一氏
森林文化アカデミー森林技術開発・支援センター 普及企画係長 下野 俊彦氏
次の時間は担い手不足が慢性的課題となっている林業界で、県がどのような取り組みをしているかを学びました。
岐阜県では担い手不足の問題解決に向けて、その原因を把握するため、退職の理由を単純なアンケートではなく、可能な範囲で個別インタビューを行って根本的解決に向けて取り組んでおり、なかなか表にでない退職の本当の理由の分析と、県が行っている対策についての話を伺いました。このことは地域の課題解決に取り組むこととなる受講生にとって、担い手対策にも取組もうという動機付けにもなったと思います。
- 倫理、関係法令 13:00〜16:10
荻須テクノコンサルタント 代表 荻須 雅夫氏
最後の時間は、担い手対策を職場の環境整備である安全確保から考えました。
改めて、「安全な状態」とは?絵に描いてみようと思うとなかなかできません。
反対に「危険な状態」はすらすらと絵が描けます。
つまり、安全な状態は目に見えないものであり、危険を除去した特殊な状態であることが分かりました。
では、危険を除去するにはどうすればいいのか?
安全が見えないことは分かったが、危険も、事故が起こる前に危険と思われることに対して、その危険と思われることを共有して対策を講じることの難しさがあります。
ここでは、具体的な考え方と手法を丁寧に教えていただき、受講生からは、考え方が整理できた、そのようにすればいいのかと納得した、などの意見がありました。