ドイツBW州で学ぶ林業-2 森林組合組織FBGについて
ドイツBW州の森林組合組織について学ぶ
BW州の州都、シュツッツガルトにあるForstkammer(森林所有者組合:岐阜県の県森林組合連合会のような組織)を訪問し、ドイツの組合組織について学びました。
これはロッテンブルク林業大学のHein教授とEndさんによるコーディネートで実現したものです。
Forstkammer事務局長のJerg Hiltさん(kammerとは会議所の意味)
もう一度記しますが、BW州のForstkammer(森林所有者組合)は岐阜県なら県森林組合連合会のような組織です。
BW州には135万haの森林があり、所有者毎に見ると州有林が25%、市町村など公有林が40%、個人所有は36%となっています。
自治体などの公有林は1公有あたり45万haと大面積であるが、個人所有は40万haに対して22万人もの所有者が存在するほど小規模です。
ちなみに、このForstkammerに所属する会員(公有林+個人所有者)は、15000人です。
この事務局は1973年に設立され、現在5名の事務局員で運営され、①事務局長は広報活動も兼ねている。②政治活動やロビー活動する担当、③専門的知識を持った担当(ロッテンブルク卒業生)、④会員サービス業務用担当、⑤秘書兼経理担当です。
BW州にはFBGという森林組合に相当するような組織が160組合ある。この160組合は個人所有者だけでなく、公有林も含んだ組合もある。但し、160組合のうち140組合は名誉職を筆頭に据えただけの幽霊組織で、熱心な活動をしているのは10組合ほどである。
ドイツ国内にはForstkammerが12組織あり、その上部組織はEU圏内に21組織あり、最上部にCEPFという組織がある。
ドイツの州有林はうまく運営されているが、個人所有は日本同様、就労環境の変化と小規模所有(5ha以下所有)の理由から林地への興味が無くなり、若い人たちの森林離れ、林業離れは加速化している。
最近の森林所有者の中には、所有地の境界なども充分しているが、森は林業対象のものではなく、自然の状態に放置すべきであるとする人もいる。
ドイツも日本と同じような苦労があるものと感じました。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。