【morinos試行プログラム】スゴすぎる!関市公立保育園の自然体験
森林文化アカデミーでは、100年先の森林づくりを見据え、「すべての人と森をつなぎ、森と暮らす楽しさと森林文化の豊かさを次世代に伝えていく」をコンセプトに、子どもから大人までが森林に親しみ、森林とのつながりを体験できる森林教育の総合拠点として「森林総合教育センター【愛称:morinos(もりのす)】」を整備しています。2020年春・開所予定であり、2019年度は開所までの試行プログラムを実施しています。
保育士の現場から森林文化アカデミーに入学して森林環境教育専攻で学ぶ1年生、今井英里さんからの実習体験報告です。(なんちゃって先生ナバ)
森林総合教育センター「morinos」と関市の公立保育園が連携し、園児たちへの自然体験活動を行うということで実習として同行してきました。 今回は、関市立田原保育園の年長児30名とともに、森に出かけました。
園から歩いて10分ほどのところにある森が今日のフィールドです。この場所には普段から森に遊びに来ているということもあり、子どもたちは到着と同時に一目散に遊び始めました。 ツルで作られたターザンロープやブランコを揺らしたり、急な斜面を滑り台のようにお尻で滑ったり、斜面を駆け上がって森の奥まで探検に出かけたりと、身体を動かして活動的に遊びを楽しむ子どもたち。
その一方で、枝や葉っぱを集めて作った秘密基地でのんびりしたり、木の実を探したり、焚火の火をじっと見つめたりと、遊びをゆったり楽しむ子もいます。 動の遊びと静の遊びが同じ空間の中にあっても違和感なく、やりたい遊びを自分で選んだり、自分で遊びを創り出して楽しめるのも、森ならではの良さです。
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今回、事前に園の先生から「何も持たずに森に行って遊んでいる」と聞いていたので、特別な用意はせずに伺ったのですが、森の中にあるもので頭と身体を使って考え、工夫しながら遊ぶ子どもたちの姿をたくさん見ることができました。また、いろいろな体験をすることで、新しい発見や学びを得ているようで「ねぇ、みてみて」という子どもたちの声があちらこちらから聞こえてきました。
そうそう。関市とアカデミーで共同開発中のmorinocoナイフも子どもたちの森遊び道具の1つです。落ちている枝からお気に入りのものを拾い、ナイフで黙々と削り続けていました。中には給食を食べるために箸を削って作る子もいましたよ。
普段、森に出かける時は午前のみだそうですが、この日は給食を森まで運んでもらったので、1日中たっぷりと遊ぶことができ、子どもたちも満足げ!!「あぁ!楽しかった〜!」と笑顔で森を後にしました。
関市の公立保育士の自主グループ『チーム森』の先生方も見学に来ていたので、保育後にみんなでふりかえり。子どもたちの姿や今日の保育の気づきや学びを共有しました。
「帰る時の子どもたちの遊びきった感がすごかった」
「私たち(保育士)も遊びきった気持ちでいっぱい 」
「火やナイフなど、危ないと思って遠ざけてきたが、危険な要素を除きながら見守ることが大切だし、危険でないように大人がスキルを身に着けることも大切 」
「大人がゆったり過ごしていると、子どもたちもゆったりと過ごすことができる」
などなど…様々な感想や意見が活発に飛び交い、保育士同士の学びも深まったようでした。
公立園でのこのような取り組みは全国的にもめずらしく、今後も目が離せません。そして、森のようちえんだけでなく、既存の保育園・幼稚園でもこうした活動が広まり、たくさんの子どもたちが自然と触れ合う機会がどんどん増えていくといいなと思います。
(森と木のクリエーター科 森林環境教育専攻1年 今井英里)