オープンカレッジ「虫の家をつくろう!」第2回目実施しました
7/22-23にオープンカレッジ「虫の家をつくろう!」の第2回目の講座を開催しました。今回は「虫の家をつく」ることから少し離れて、身近な野生の生き物である昆虫についてより深く、様々な視点から知ってもらう内容で行いました。昆虫類の生態、森林などの周囲の環境との関わりを知るために夜間の昆虫観察(灯火採集、森林観察)を、昆虫の体の構造、形態を知るためにチョウの鱗粉転写、昆虫切り紙を行いました。
一日目(7/22)はまずはチョウの鱗粉転写を行いました。鱗粉転写とはチョウの翅の鱗粉を糊を塗った紙に写し取ることです。通常の標本だと、適切に管理しないと虫などに食い荒らされてしまったりして長期間の保存が難しいのですが、鱗粉転写したものはそういった心配はありません。また標本だと箱に入れなければならないのでスペースをとりますが、これは紙に写し取ったものなのでその心配もほとんどありません。
まずは翅のつくりについて教えてもらいます。左右2枚の翅がどのようについているのかなどを、自分たちで観察しながら翅を外します。結構これが難しく、なかなか上手くいかない子もいましたが、何とかできました。
転写されたものをハガキに貼って真ん中に体の部分を描いて完成です。
みなさん大切に持って帰られていました。
夕食後は夜間の観察。灯火採集と夜の森林観察です。まずは参加者の方と灯火採集の準備を行います。ポールを立てて、白い布を張って、水銀灯で照らします。
しばらくすると辺りも暗くなってきてぼちぼちと虫たちが集まり始めますが、まだそれほど多くないので、先に夜の森林観察にいきました。帰ってきたときに何がきているか楽しみです。
森林観察は主に樹液に来ている昆虫を見て回ります。夜の森、というだけで子供達はわくわく、どきどきだったようです。クワガタムシやゴミムシダマシの仲間が見られました。羽化のために地上に出てきていたセミの幼虫も見られ、大人も子供も楽しんでもらえたようです。
森林観察の帰り道、先に灯火の所に戻った子供たちの歓声(悲鳴?)が聞こえました。戻ってみると大量のアリと様々なコガネムシたちがきていました。他にもガの仲間、セミ、カメムシの仲間等、様々な虫が集まって来ていました。セミはニイニイゼミがほとんど。他にトンボとは赤の他人のツノトンボや大きなシロスジカミキリなども飛んできて、皆盛り上がります。
家の網戸に集まった虫を眺めていた幼少の思い出が頭をよぎったかたもいたのではないでしょうか。
そんなこんなで1日目は夜の8時半過ぎに終了。
2日目(7/23)
朝食後に、ハチの家の観察を少し行いました。すでにハチの入った竹筒もあり、泥などで入口が塞がれていることを観察しました。少し話をして、本格的な観察は第3回目の講座で行うことに。
そのあとは昆虫の切り紙作り。その前に、昨日見た昆虫の絵を何も見ずに紙に書いてもらいます。人の記憶とは曖昧なもので、覚えているようでいて描こうとすると足がどこからどのように出ていたのかわからなくなってきます。
それぞれで首をひねってもらった後、昆虫の体の作りについて説明します。特に翅と足の位置が重要ですので、そこを説明するとみなさん納得。
その上でさらに昆虫の体は基本的に左右相称であること、なので紙を折って切る切り紙には非常に向いた題材である(と私は思っています)ことを話して作ってもらいます。
あらかじめ用意した型紙に合わせて下絵を描き、ハサミでちょきちょきと。
オリジナルの絵を描いて切り始める人もいて、時間はあっという間。
切る前の折り方を工夫すると様々なデザインの物が作れるので、折り方講座も少し行いました。
大人も子供も夢中になって取り組んでもらえました。
今回の講座では、身近な虫達について、様々な視点から見てもらい、身近な自然環境についてあらためて考えてもらうことを目的としました。さまざまな昆虫、多くの昆虫が身近に棲んでいることを感じ、また昆虫についてじっくりと見ることができた2日間だったのではないでしょうか?(津田 格)