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2024年10月21日(月)

World Logging Championships in Austriaレポート 競技結果

競技結果は6位とこれまでの日本人選手で最高位の成績を収めることが出来ました。

 

こちらのHPで競技結果を確認することができます。

ialcでもPDFで競技結果をダウンロードできます。

https://www.ialc.ch/Englisch/World-Championship/2024-AUSTRIA/

 

 

11位までの選手の過去の戦歴です。ialcのHPに掲載されている大会以降の戦績ですので、もっと出場回数が多い選手がいるかもしれません。9位リトアニアのRomas Balčiūnas選手(9回出場)、4位ドイツのMarco Trabert選手(8回出場)、8位ノルウェーのOle Harald L. Kveseth選手(8回出場)、10位フランスのDavid Dauphin選手(7回出場)、5位スイスのUrs Amstutz選手(6回出場)など、ものすごいレジェンドたちが名を重ねています。若さだけではなく、「経験がものをいう」のは、実際の林業そのものに近いのかもしれません。

 

(カッコ内の数字は世界大会の出場した回数です。)

優勝 Johannes Meisenbichler(2) オーストリア エストニア大会15位(2023) ※ゲスト参加含む
準優勝 Mathias Morgenstern(4) オーストリア エストニア大会優勝(2023) スイス大会U24優勝(2014) 
3位 Raino Kivi(2) エストニア エストニア大会ゲスト参加(2023)※とはいえ全体14位
4位 Marco Trabert(8) ドイツ ノルウェー大会優勝(2018) スイス大会3位(2016)
5位 Urs Amstutz(6) スイス ベラルーシ大会3位(2012)
6位 杉本和也 日本(2) エストニア大会21位(2023)
7位 Uli Huber (4)ドイツ スイス大会優勝(2014)
8位 Ole Harald L. Kveseth(8) ノルウェー エストニア大会pro準優勝(2023)、ノルウェー大会pro準優勝(2018)、スイス大会pro準優勝(2014)、クロアチア大会U24優勝(2010)、ドイツ大会U24優勝(2008)
9位 Romas Balčiūnas(9) リトアニア エストニア大会6位(2023) 2010年クロアチア大会から出場
10位 David Dauphin(7) フランス 2010年クロアチア大会から出場
11位 高山亮介(2) 日本 エストニア大会U24 9位(2023)

これまで日本は、初出場2010年クロアチア大会から7回WLCに出場し、着実に成果を上げてきました。これからさらに日本としてはレベルアップし、表彰台に登る日本人が出てくることは間違いないでしょう。

戦績を見て目を見張るのは、オーストリアとエストニアです。出場回数わずか2回にして世界チャンピンとなったオーストリアのJohannes Meisenbichler選手。オーストリアのU24の選手、Womanクラスの選手ともに表彰台であり、トップ選手を育成するという圧倒的チーム力を感じます。エストニアもRaino Kivi選手が出場回数わずか2回にして3位表彰台であり、前回のエストニア大会の活躍も見る限り、選手育成というところで、並々ならぬ努力を感じます。

 

私個人としては、表彰台を目指して、練習を重ねてきたつもりではありますが、まだまだ差を感じる結果になりました。もし表彰台を目指すのであれば、準備含めて必要なことがたくさんあると感じました。

 

さて、それぞれの競技を振り返ってみました。

 

伐倒競技(Mast Felling)

15mのマストツリーで樹種はドイツトウヒです。伐倒後に跳ねることがないよう、砂が引かれています。結果は、15cmずれでツルの幅高の減点はなしで、645点でした。このチェンソーを使うのが海外発送の関係で約1か月ぶりであり、水平間隔、ガンマークの見方を確かめるのに、多少の調整が必要でした。切った感じは多少ヒノキのような固い樹種のように思いましたが、いつも通りプレー出来ました。他の日本人選手も、いつもと変わりなく競技が出来たようです。

 

杉本伐倒後の断面です。受け口側は、年輪幅密でありアテが多く入っています。計測は手前、奥、真ん中の3か所で幅と高さを計測です。

着脱競技(Fitting Another Chain)

杉本競技は、6:58:01頃です。ベストとは言えませんが、まあまあの結果です。スタート前にここから前に出るとフライングだよとスタッフが教えてくれています。とても優しい方々です。フライングのペナルティーを取られることはありませんでした。

 

合わせ切り競技(Bucking by Combined Cuts)

樹種はドイツトウヒになります。結果は182点とこちらもまずまずです。

地面はアスファルトです。毎回90度に伐り直しをしてくれるため、断面が90°であることを前提に、ガイドバーの角度を合わせる選手もいます。

今回のWLCと過去3大会のJLCの得点分布をグラフにしてみました。ほぼ半分の選手が180以上のスコアを出してきます。合わせ切りの優勝は、197点のラトビアのGatis Brencis選手でした。JLCで使用されるアカマツと比較すると、ドイツトウヒは柔らかいため、タイムの得点が伸びやすく、上からの切断もアカマツより切り合わせやすい印象です。

接地輪切り競技(Precision Bucking)

同じく樹種はドイツトウヒで、結果は233点です。240点以上を目標にしていたため、少し悔いが残る結果です。また今回のWLCと過去3大会のJLCの得点分布をグラフにしてみました。WLCの中央値は233点です。WLCでは10点分JLCより全体の得点が高い傾向です。やはり柔らかいドイツトウヒを使用しているというのが要因かもしれません。

リレー競技(Relay Race)

JLCでは見ることが出来ませんが、WLCではリレー競技があります。4人1チームになって、対抗戦です。国別対抗戦なのでとても盛り上がります。唯一、代表選手が一緒に競技を行います。

日本チームです。台風の影響もあり皆が一緒に練習することは出来なかったですが、それぞれの練習場所でリレーの練習も行いました。満を持してリレー競技に臨みます。

day3のyoutube動画でリレーの様子を見ることが出来ます。1:04:30頃です。終わった瞬間、まあまあいい結果が出せたかなと思いましたが、終わってみれば日本チーム最下位でした泣。私も1本目の丸太が切り落とされていないという痛恨のミス!やはり全体で集まって練習しないとだめですね。優勝はスイスチームでした。

 

枝払い競技(Limbing)

最後に行われる枝払い競技。この競技は、これまでの4競技の得点が低い順に行われます。4人1組で同時スタートになります。最後の組に近いほど、優勝候補になります。特に最終組では、ノーペナルティーで勝てば表彰台という、とても白熱した戦いが見られます。

私、杉本は枝払い前の順位が12位ということで、最後から3つめの組でした。

第22レース プロクラスクラス9~12位 杉本出場

第23レース プロクラスクラス5~8位

第24レース(Woman最終レース) Womanクラス1~4位

第25レース(U24最終レース) U24 クラス1~4位

第26レース(pro最終レース) プロクラス1~4位

 

一番右から5レーン、一番左が8レーンです。

5レーン 杉本

6レーン Ole Harald L. Kveseth(ノルウェー) エストニア大会pro準優勝(2023)、ノルウェー大会pro準優勝(2018)、スイス大会pro準優勝(2014)、クロアチア大会U24優勝(2010)、ドイツ大会U24優勝(2008)

7レーン Øystein Koht-Norbye(ノルウェー) 2012年ベラルーシ大会からOle Harald L. Kveseth選手とWLCに出場

8レーン Michael Ramsbacher(オーストリア) 前回エストニア大会U24 3位

前大会で表彰台に上った選手たちと一緒に競技を行うことが出来て、とてもエキサイティングな経験でした。結果は他選手よりゴールした時間は遅かったものの、ノーミスで446点でした。総合得点では、表彰台に上ることは出来ませんでしたが、最後まで大きなミスなく、やり切ることが出来て良かったです。

 

以上、競技結果の報告でした。

 

林業専攻 杉本