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2024年10月03日(木)

World Logging Championships in Austriaレポート 競技会場

WLCの会場についての報告です。

今回の会場はウィーン市内にあるドナウ川の中州(ドナウ島)で行われました。山の中ではなく、歴史あるウィーン市内の街中でチェンソーの大会を行うという、選手にとってはとても光栄なイベントです。

 

過去ドナウ川は大雨で氾濫し、ウィーン市内がたびたび洪水被害に見舞わるれため、70年代に入りドナウ川に放水路を掘りました。その際に浚渫した土砂を積んだ場所が中州となっており、ドナウ島となっています。サイクリングなど市民の憩いの場所になっています。

 

実は日本代表チームが到着する1週間前にウィーンは記録的な大雨に見舞われ、ウィーン市内も洪水の危機に瀕しました。しかしこの放水路(ノイエドナウと呼ばれている)の水門を開放し、ドナウ川の水位を下げたおかげで、洪水の危機を免れました。とはいえ、ドナウ島のサイクリングロードは水に浸かった形跡が残っており、ドナウ川も濁流となっていました。

ドナウ川といえば、黒海に流れる大河川であり、ゆったりとした流れを想像していましたが、日本の大雨の後に見られるような濁流となっていました。

 

さて会場には、メーカーブースや選手テント、競技会場がレイアウトされていました。競技会場では、BGMが爆音で流れフェスティバルさながらです。

 

伐倒会場では、約20mのマストツリーを立てていました。近年のWLCでは、伐倒後に木が跳ねて伐倒方向がずれることを防ぐため、砂を敷いています。

伐倒競技では、15m先の目標を狙って木を倒します。日本でも簡易伐倒方式では、目標までの距離は15mですが、マストツリーでは会場に木を運搬する際の制約もあり、10m先の目標を狙うマストツリーがほとんどです。

こちらは着脱、合わせ切り、接地輪切り会場です。アスファルトの上に競技会場をセッティングしていました。

合わせ切り競技の会場です。伐倒、合わせ切り、接地輪切り競技ともに使用樹種はドイツトウヒ(Picea Abies)です。今回もyoutubeによるリアルタイム配信がありました。

 

会場では、メインスポンサーであるスチール、ハスクバーナ、ファナーの他、機械メーカーなど他のスポンサーが出店していました。

タワーヤーダのメーカーであるマイヤーメルンホフ社(MM社)が実機を展示していました。アカデミーでもMM社の搬器を所有しています。

 

当日は天気もよく、観客席も応援する人でいっぱい。ドナウ川の中州とはいえ、ウィーンの街中でチェンソーを使うことの喜びを噛みしめながら、競技を行いました。

競技の合間に日本大使館も交えて植樹イベントも行われました。ドナウ島の緑化、国際交流のため、いくつかの樹種を植樹しました。Betula,Quercusなど現地の樹種を植栽しました(正確な種名は分からず)。

 

林業専攻 杉本