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2020年07月22日(水)

ふだん使いのお弁当箱を作る「木工機械使用法2(加工・成形)」

クリエーター科1年生の木工専攻の実習で、ヒノキのお弁当箱を作りました。

ヒノキのお弁当箱

木工機械使用法2では、木取り、木作りといった前回の実習内容に加え、「加工」や「成形」と呼ばれる機械操作について学びます。木工機械を正しく使うことによって、精度の高い加工を効率的に大量に行うことが可能になります。そのために必要な機械のセッティング方法や安全な使用方法について学ぶのがこの実習の目的です。

今回の実習では、ヒノキのお弁当箱を作ってもらいました。
意図としては、シンプルな構造でありながら基本的な機械操作方法や木工に必要な精度・工程について学べること。また、完成したお弁当箱を日常的に使ってみることで、体験的に木の良さや特徴について学ぶことができます。学生たちは将来的に木の良さを人に伝える仕事をしていくことになります。その時に、自分で作り・使った体験は言葉の説得力につながってくるはずです。今回の製作では教員が基本的な仕様となる図面を準備し、各自が食べる量に合わせて寸法を調整して自分仕様のお弁当箱を作ってもらいました。

箱の留(とめ)加工

機械操作は精度と安全の両面が必要です

お弁当箱は4枚の板の接合部を45度(留(と)め)にカットして接着し、かんざしと呼ばれる補強の薄板を差し込んで作ります。これは伝統的な木工手法ですが、うまく使いこなせれば様々な箱物やフォトフレーム、額などを作る際にも応用できる手法です。シンプルですが精度が低いと実用的な製品は作ることができません。実習では機械のセッティング方法だけでなく、後の工程や仕上がりを見越した勘所も同時に学んでいきます。

人の作業も見ながら学びます

人の作業を見るのも学びの1つ。気付いたことを図面に書き込んで自分のマニュアルを作っていきます

組んだ箱にかんざしをさしたところ

今回はヒノキで作った箱に、山桜のかんざしを挿しました

ベルトサンダーで仕上げ

ベルトサンダーで、はみ出たかんざしを削り平らに仕上げます

最後は手磨きで仕上げます

最後は手磨きで糸面取りをして仕上げます

今回制作したお弁当箱は自分用の1つですが、それだけで機械操作を習得できるわけではありません。今後も様々なアイテムを作りながら学びを深めていってもらいますが、このお弁当箱を迷わずに自在に仕様を変えて作れるくらいになれば、留(とめ)の箱の作り方も基本的な機械操作もほぼほぼ身に付いたと言えると思います。可能であれば、もう10個ほどいろいろなサイズで作ってみると良いと思うのでチャレンジしてみて下さい。

今回作ったお弁当箱は、塗装実習で漆を塗って仕上げます。そちらの方も頑張って完成させましょう!

木工専攻 講師
前野 健