【木工機械使用法】1年生の製作実習が本格スタート
1年生達が入学して、早もう3か月目に入ります。
クリエーター科の木工専攻では、1年生達の本格的な木工機械を使う製作実習が始まっています。
最初に学ぶのは「木取り、木作り」と呼ばれる工程です。木取り、木作りとは図面寸法通りの直角、平行のとれた板を作る作業のこと。ここでの精度が甘いと、製品にばらつきが出たり、工程に手直しが必要になったり。単純な作業ですが、同時にもの作りの基礎になる工程です。
1年生達は作業のながれを1つ1つ理解していきながら、同時に機械の使い方も学んでいきます。
木取り、木作りについて体験した次の課題は、お弁当箱の製作です。この実習では、毎年学生が自分が食べる量に合わせて、自分サイズに寸法調整したお弁当箱を作っています。今年は、学内の簡易製材機で製材して乾燥させておいたトチのストックがあったため、これを材料に使うことにしました。(ちなみに昨年はケヤキを使用しました)
お弁当箱作りには、工房にある基本的な機械をひととおり使うため、機械について学ぶ教材としても適しています。また、完成した作品を実際に使う体験を通して、木の良さを実感として自分の言葉で語れるようになって欲しいというねらいもあります。
皆さんも思い起こしてほしいのですが、初めて体験する作業では、キチンとした「正解」というものをイメージすることができません。そのため、1つ1つの行程でも、これで大丈夫なのか?ちゃんと自分はできているのか?という不安と隣り合わせで作業は進んでいきます。モノづくりでは、工程が進んでいくごと、自分が行った作業が形となって目の前に現れます。うまくいった部分。少し失敗してしまった部分。色々な体験をしながら、そのすべてが学びと経験値になっていきます。
そんなふうにして工房の機械で作った最初の作品「トチのお弁当箱」の木地(無塗装段階の製品)が無事に完成しました。このお弁当箱は、木材塗装の実習で今度は漆を塗って完成させます。みなさん、引き続き緊張感をもって取り組んでください。
夏休みに入ると、1年生達も教員の立会い無しで、工房の機械を使用することができるようになります。引き続き制作課題をこなしていきながら、基本となる安全な機械の操作方法をしっかりと身に付けて行きましょう!
木工専攻教員
前野 健