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2024年09月20日(金)

木のおべんとう箱展 2024 製作レポート④

2024年9月27日(金) 28日 (土) 29日 (日)の3日間、美濃市うだつの上がる町並みで開催されるミノマチヤマーケットと同時開催で「こころ和むひとときを 木のおべんとう箱展」と題して、木工専攻の学生4人が製作した弁当箱の展示・販売いたします。 (※ミノマチヤマーケットの開催日は9月 28日 (土) 29日 (日)のみとなります。)

 

4人の学生が製作したお弁当箱はどんな想いで作られたのでしょうか、それぞれにレポートしてもらいました。 

 

商品名:tsunagu

 

 例年1人用のお弁当箱を展示・販売していたのですが、今年度は私が先生方にわがままを言い、当展示会始まって以来の大型弁当箱、いわゆる「お重」を製作させていただきました。

 

 お重を囲み、家族や友達と一緒に食事をすることでつながる「輪」。木の素材を生活に取り入れることで森を循環させ、森と人とがつながる「環」。天板(蓋)に施した市松模様で、日本の伝統文化をつなげる「和」。このお重には、さまざまな「わ」をつなげたいという想いが込められています。

 

 今回使用する樹種はホオノキです。岐阜県といえばホオノキを使った食べ物(朴葉味噌)や生活道具(有道杓子)など、馴染み深い方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

心材の色がとても濃く、綺麗な緑色をしています。これを白色の辺材と併せ柾目に木取り、交互に接ぎ合わせしていくことで市松模様を作り出します。心材と辺材では、気温や湿度の影響を受けたときの伸び縮みする比率が異なります。そのため丁寧な接着を行わないと、割れたり剥がれたりするリスクが高まります。また、お重なので底板の幅が広く、一枚板で木取ろうとすると動きが激しい板目が混ざってしまうことから、底板も柾目に木取った材を接ぎ合わせて製作しています。

 

 

 各種パーツを組み立てる際の接着にも大変苦労しました。組み立て自体に特別な技術は必要なく、接着剤をつけて組んでいくだけなのですが、はみ出た余分な接着剤を拭き取ることにかなり時間を費やしました。接着剤は拭き残しがあるとシミになってしまい、意匠を損なう要素になるため、指物特有の「直角」部分をしっかり拭き上げることを意識しました。

 

 

 そんなこんなで、接着剤地獄を経験した果てに完成したお重がこちらです。一つの樹種、一枚の板から、多彩な色が表現できるのもホオノキの特徴ではないでしょうか。

 

 

 指物と呼ばれるこのお重の構造は単純ですが、単純だからこそ作り手の性格や仕事の丁寧さがはっきりとわかるものだと思います。木工を初めて一年半の若輩者が、今ある技術を最大限に発揮して製作した商品となっています。至らない点がたくさんあると思いますが、ぜひお手に取り、ご意見を頂けますと幸いです。

 

岐阜県立森林文化アカデミー

木工専攻2年 若田拓也

 

 

おべんとう箱の製作過程などInstagramでも発信しています。 

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