安全に精確に!「木工機械使用法1」
木工機械使用法は、木工用の大型機械の使い方を学ぶ実習です。1では「木取り」と呼ばれる正確な寸法材を作る作業を通して木工機械の使い方を学びます。
この実習のポイントは3つ。
- 安全な機械の使用方法を身に付ける
- 正確な機械加工の方法を覚える
- 木工の工程の流れを覚える
これらを、様々なパターンの「木取り」をしながら身に付けていきます。
この実習を履修しているのは、この春、初めて木工に取り組み始めたのがほとんどの1年生たちです。最初はおっかなびっくりの機械作業ですが、これはこれで良いことです。機械は正しい使い方をしないと事故につながることもあります。まだ、機械の正しい使い方、どういうことが危険で何が安全かわからないうちのセルフジャッジはとても危険です。まずは気を張りながら作業を進めていきます。
木工の製品作りでは作るモノにも左右されますが、1番高い精度が求められる部分では1/10㎜程度の寸法精度が求められます。これはコピー用紙1枚の厚みとほぼ同じくらいです。これを精確に計測するのも木工の技術です。木取りでは直尺と呼ばれる定規や直角を測るスコヤ、0.05㎜まで読み取れるノギスを使って形や寸法を確認します。
一通りの機械を使った木取り作業を体験したら、次は乾燥材から選材して、指定の寸法で所定の数を木取りする実践的な作業に挑戦です。
今度の木取り材は塗装の授業で使う予定の塗装用手板です。材種もスギ、ヒノキ、ナラと3種類あり、それぞれ必要数も異なります。このような作業で大切になるのが目印となる「スミ」の付け方です。皆が共通のルールで墨付けをすることにより、作業中に材が混じってしまったり、不要な作業の重複を避けることができます。特に作業する人数が多い時は適切な申し送りをするために、この「スミ付け」は大切になります。
また、同じ加工作業を「数をこなす」というのが、技術の習得には大切なことです。同じ作業を繰り返す中で機械の効率的で安全な使い方を体で覚えていくことができます。
今回は小さな角材の木取りに始まり、塗装用の手板、家具用材と木取り方法もいくつか体験してもらいながら、基本的な機械の使い方を学んでもらいました。授業の時間だけでは、まだまだ十分とは言えませんが、基本的な機械の扱い方、ルールについては一通り体験してもらえたと思います。
次の機械実習は、実際に製品を作りながら機械加工について学んでいきます。
木工専攻 講師
前野 健