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2023年12月11日(月)

気密測定とサーモ実測

環境性能設計の実測で郡上市のKさんのお宅に伺いました。

ログの柱と梁でできた山小屋風の住まい。
羊毛断熱と樹皮断熱でくるまれて薪ストーブがいい感じに熱を供給しています。

さて本題の気密測定は建物を隙間の大きさを計測するもの。

大容量の送風機で室内の空気を外に追い出すと室内の気圧が下がります。
この時、隙間が大きいとなかなか気圧が下がりません。
つまり、通風量と内外気圧差で隙間の大きさを実測するものです。

1年生にとっては初めての気密測定。

操作パネルで風量をコントロールして測定していきます。
結果は悪くもなく良くもなく。さてどのように性能向上させるか。

送風機で圧力をかけた状態で、いろいろな部位を見て回ると、空気の気流を感じます。ここが隙間です。

また、サーモ画像で見ると、断熱性能の低い部分と、隙間から外気が入ってきて冷え込んでいる部分が明確にわかります。

やはり、壁や天井、床との取り合い部が弱点になりやすいです。
また、梁と柱の接合部も熱が漏れています。

このように見えない熱を気密測定やサーモ実測によって可視化できます。

この対策をバランスよく考えることが次のステップです。

さて、後半は松井先生による実測講座。
せっかくKさんのお宅に伺ってますので、天井伏図を描いて、構造を把握します。
松井先生が学生の実測した図面をチェックしています。

現地で計測・実測することで、机上の計算や作図では得られない建物性能や空間の大きさなどが自分の尺度になって理解が進みます。

教授 辻充孝