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2024年11月29日(金)

一河の流れを汲むも他生の縁

木造建築専攻・講師の石原です。

先日、休暇を利用して鹿児島市に行きました。

その際、鹿児島城(鶴丸城)址の城門に目を奪われました。

・・・バスの車窓から目に入り、思わず最寄りの停留所で降りてしまいました(本来の目的地は城山展望台でした・・・)。

令和2(2020)年に再建された「後楼門」。日本最大の城門だそうです。

城門そのものもとても立派なのですが・・・

この城門、総ケヤキ造りになっています。驚きます。

人生において興奮する瞬間は何度かあると思いますが・・・

この巨大なケヤキ材を見たときの興奮の度合いといったら、大谷翔平選手の50⁻50達成時に勝るとも劣りません。

スケールを持参してなかったので、とりあえず手の大きさとの比較を載せておきます。

城址内の「黎明館」に御楼門に関する展示がしてあり、

そこで知ったのですが、これらのケヤキは全て岐阜県産材とのこと。

実は、鹿児島県と岐阜県は姉妹県盟約を締結しているのですが、その縁が背景にあるようです。

(そのほか、鹿児島市と大垣市がフレンドリーシティ提携を結んでいるそうです)

 

鹿児島県と岐阜県が姉妹県となったのは、

江戸時代後期、木曽三川の治水工事を幕府の要請(御手伝普請)によって薩摩藩が担当した歴史に由来します。

ここでは詳細を割愛しますが、この治水事業は悲劇的な結果を招き、多くの薩摩藩士が犠牲となりました(宝暦治水事件)。

鶴丸城址の近くに顕彰碑がありましたので、手を合わせてきました。

・・・木曽川と揖斐川の水、長良川と揖斐川の河石が捧げられていました。

まさかこの地で、岐阜県を感じる瞬間が来るとは。驚きました(本日2回目)。

 

河(川)にちなんだ諺で、「一河の流れを汲むも他生の縁」いうものがあります。

今回、特に何の下調べもなく御楼門を見学したのですが、はからずとも因縁めいたものを感じた次第です。

 

講師 石原 亘