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2023年10月03日(火)

外壁工事(自力建設2022「丁稚基地」)

今回は、外壁工事について。
丁稚基地の増築部の外周はぐるりと塗装された杉板で覆われています。例えば正面は紫外線から建物を守るだけでなく、フォークリフトで材木を運んでくるときに、建物にもしものことがないよう強固な壁になっています。

まずは下地として結露が起きたり軸組が濡れたりしないように、透湿防水シートという湿気は逃がすが空気は通すシートで全体を覆い、通気や水を下に通すための縦胴縁、外壁を縦張りにするために横胴縁を打ち付けていきました。

外壁の下地

下地はヒノキと杉が混じっていますが、太いビスだとヒノキは簡単に割れるので、スリムビスのすごさを痛感しました。また長めに張ってから端部を切り落とすすべも身に付きました。

下地を準備している間に、製材担当の杉山さんが懸命に外壁材を木取りしてくださいました。すべての外壁を一人で木取りしたこと、ものすごいマンパワーです。

木取りした板材 (この量でほんの一部)

今回の外壁は木工の機械をお借りして南側を本実加工、北側をやとい実加工としました。

実際に施工してみるとそのメリットデメリットが体感できました。

本実とやとい実(+施工時の感想)

塗装はご提供いただいたオスモのローズウッドを使いました。
やせて隙間ができるかもしれないので、側面とやといを丁寧に塗ります。
塗装は、同級生や一年生にも手伝っていただきました。
全員が「何かできることないですか」とお手伝いを名乗り出てくださり、時間を作ってきてくれました。本当にありがとうございました。

手伝ってくれた仲間たち

塗りも材自体の色味が違ったり、節によって模様が違ったりします。
同じ色を使っても日によって塗量が変わってなかなか難しい部分があり、とても奥が深いです。

始めのおさまりを決めるのに時間がかかりましたが(夏休みの読書感想文と同じですね。)
張り始めればどんどん施工が進みます。上下の向きに気をつけながらインパクトで張っていきます。

外壁の張りはじめ

外壁(丁寧な二度塗りでピカピカです)

一旦塗装した板を広げて、色味の近いもの、節のないものから張っていきましたが、最後に節のものが余っってまったほか、扉の周りは割り切れない板幅の場合、どこで調整するのか、などなど、張る順序にもセンスが問われることが学べました。

南・東・北の外壁はすべて長めに張っておき、最後に丸鋸で坂本さんが切り落としました。
私は切ったそばからかけらが落ちてこないようにキャッチしましたが、丸鋸を壁に向かって垂直にもち続ける筋力、技術を間近で見て感動しました。

切りっぱなしの加工ですが、その美しさはあとから見た誰もが驚いています。それを聞くたび、私は自分がしたかのように嬉しくなっています。

張った直後 切る前

切りそろえた後

外壁工事は着々と進み、ハイサイドまわりは水に強い赤身材を張っていきました。

最後の外壁を張る棟梁

色々な人の力と途方もない時間をかけて、外壁が完成した時は本当に嬉しかったです。

はじめて自力建設が終わるかもと、実感したのを覚えています。

外壁 南側

外壁 北側

記憶をたどると、丁稚基地の外壁は塗装の縦張りがいいといい始めたのは私だった気がします。

正直、こんなに大変だとは思いませんでしたが、たくさんの仲間の手を借りて、多くのことが勉強できたので、申し訳ない気持ちはここで昇華しておきます。

 

森と木のクリエーター科 木造建築専攻2年 小島