中部国際空港(セントレア)カームダウン施設 設計ワークショップ
中部国際空港に設置するカームダウン施設の基本案を作成する即日ワークショップを開催しました。
カームダウン施設って何?という人もいるかもしれません。
空港のような非日常で慣れない場所で、しかも保安検査場では私も緊張してしまうことがあります。
そんなストレスで体調を崩したり、パニックになってしまったり、または発達障害や知的障害、精神障害などをお持ちの方で外部の音や視線を遮断し気持ちを落ち着かせたい時に利用できる空間がカームダウン施設です。
近年、公共建築にも設置される場面も増えつつあります。
今回のプロジェクトは、中部国際空港と岐阜県が「ぎふ県産材利用促進協定」を締結しており、本学と高山市とも連携協定があることから、岐阜県及び高山市の関係団体(岐阜県発達障害者支援センター、岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター、高山市森林政策課、高山市商工振興課、飛騨木工連合会)の協力で実施しました。
朝9:00 課題を発表し、中部国際空港の方にインタビューするところから始まりました。
これからまさに設計が開始されますので、気になる点について、学生からいろいろな質問が飛び交いました。
ここからは、個人作業です。
手描きやパソコンを使って案を組み立てる学生や、閃いたイメージをさっそく模型で作ってみる学生など様々です。
昼食入れて実質6時間弱、15:30から、参加した学生8名によるプレゼンテーションです。
このプレゼンでは、贅沢な方々に講評を頂く機会を得ました。
中部国際空港で実際に運用されるスタッフの方や製作に携わる予定の飛騨木工連合会の方、障害をお持ちの利用者が安全・安心に落ち着いてご利用いただけるかに詳しい希望が丘こども医療福祉センターや岐阜県発達障害者支援者センターの先生、高山市森林政策課の方々、オンラインも含め10名を超える参加者があり、講評やコメントをいただきました。
障害をお持ちの利用者が、施設内でどのような行動を起こす傾向があるか、小さな隙間をどう感じるかや空間の色使い、表面の仕上げや製作の段取り、コストに関することなど、さまざまなコメントが各方面の専門家の方から、なるほどと思える意見をいただき、非常に勉強になりました。
学生も自分なりにどのような空間で落ち着けるかを考えながら空間をデザインしていましたが、考えていなかった視点や外してはいけない留意点など新しい気付きがありました。
小さな施設の計画でしたが、学生8名の個性が感じられる提案でした。
どの案にも、きらりと光るアイデアや提案があり今後どのような施設にまとまっていくか、楽しみです。
教授 辻 充孝