【韓国視察(6)】 韓国の木材流通視察
木造建築の新しいかたち(その209)木質構造に関する住育の取り組み
韓国視察レポート第6弾。韓国ヨジュ市にある森林組合の木材流通中央センターを訪問しました。
ここでは、製材、乾燥、プレカット、集成材の製造、2×4材の製造、CLTパネル材の製造、ペレットの製造などを行っています。
韓国産木材はほぼカラマツ材(99%)であり、ヒノキ材(1%)が少しあります。カラマツ材は主に40年生で直径25cm程度の丸太が多く、山から伐出してくる材の長さは2.7m材もしくは3.6m材です。年間30,000㎥の取扱量です。という説明がありつつも、直径30cm~50cm程度の丸太材もありました。
この森林組合さんにはフンデガー社の木材加工機があり、木材加工を行っています。
Health Gateがありました。
同行した学生が、Health Gateの一番狭い17cmに挑戦して、みごとに通り抜けていました。
私には・・・、一番幅広のところも無理かなぁ。
次に、ボリョン市にあるプレカット加工工場2社、「イウー・コーポレーション」と「テフン ウッド産業」を訪問しました。いずれの会社にもフンデガー社の木材加工機があり、かなり高度な木材加工を行っています。
イウー・コーポレーションさんの木材加工機です。
テフン ウッド産業さんの事務所(上記)や、工場の屋根部分は木造でつくられていました。社長さんが木造を独学して、これらの木造建物や木造部分を設計しました。
工場の屋根部分は、木梁と鋼材による張弦梁となっております。日本でも一般的に設計されている張弦梁とは異なっていて、高度な木構造の知識を有していないと設計することができないような張弦梁となっています。
私はこれまでにヨーロッパでは同様のシステムの張弦梁を見たことがありますが、かなり珍しいと思います。日本でもなかなか見たことはありません。(私はよく講演・研修・授業などで、この張弦梁システムを勧めるように話をしています。)
こんな加工もできるのですね・・・。何に使うのか考えていたところ、最後の写真のように使っていました。(アイキャッチでも利用させていただきました。)
韓国の木材加工機の配備態勢や、勉強熱心さ、技術の応用力など、私も非常に勉強させていただきました。
教授 小原 勝彦