屋根工事(自力建設2022「丁稚基地」)
蛍が学校の中の川にもあらわれて、夏らしくなってきました。
先日、無事竣工を終えた「丁稚基地」ですが、(詳しくは6月28日投稿の「竣工式!(自力建設2022「丁稚基地」もぜひ。)少し工事のことを振り返って、少しずつ投稿していきたいと思います。
今回は、屋根工事について。
建方のあと、冬のとある日まで、少し時はさかのぼります。冬らしい澄んだ空が綺麗な日でした。職人さん2人に指導していただきながら、工事は始まりました。
屋根工事の様子
まずは、改質アスファルトルーフィングを水下側から屋根に貼って、防水処理をしていきました。
アスファルトということもあり、カッターが一瞬で真っ黒になり、中々切るのにコツがいります。
このルーフィング材がしっかりしてないと、せっかく建てた軸組がすぐに腐ってしまいます。丁寧にマントをかけるように、作業を進めていきました。そして、ルーフィングをはってから、そこに板金の割り付けの墨を書いていきます。
ルーフィングに墨付けする様子
何度も確認をして、ときに修正を加えながら正しく墨をつけていきました。
「丁稚基地」は既存の屋根の一部、玄関上の台形の屋根、木材置場の屋根、収納庫の屋根とたくさんの屋根で構成されているので、角まで、しっかり防水しなくてはいけません。
そして、ルーフィングを張って墨をしたところから、板金を張っていきます。
板金をはる様子
正しく墨がしてあれば、あとは1枚ずつ張って、運んでの繰り返しです。今回私たちが使った屋根材は、屋根の波波の凸になっている部分、つまりハゼの部分がすでに形作られているタイプのものでした。これによって材同士の食いつきが隙間なく施工することができます。
ハゼが形成されてない場合、ツカミバシによって曲げないといけないのですが、隙間があってもいけないし、潰しすぎても毛細管現象がおきて水を吸い上げてしまうので、とても難しいことが分かりました。
角や複雑な形状のところは、職人さん中心にツカミバシを使って処理をしていただきました。
板金工事には、特有の道具が色々あり、このツカミバシだけでなく、板金の金属が恐ろしいくらいサクサク切れる、板金バサミなど、初めて見るものがたくさんあり、面白かったです。興味のある人はぜひ調べてみてください。
さて、少し話がそれましたが工事の話にもどります。板金が張れると、板金の長さを決めたのち、端っこを丁寧に曲げていきました。この道具も使う人の力加減によって屋根の端がまっすぐになりません。また、今回の設計では、軸組をどうしても守りたかったので、屋根の軒の出を限界近くまで伸ばしました。次の写真は、そんな軒のはじっこまで行って大丈夫ですか?と半ばヒヤヒヤしながら撮りました。
板金を折り曲げる様子
はじっこを曲げたのち、立ちハゼの小口の部分にしっかりコーキングを打って、サンバダという金物をかぶせて、ビスで止めていきました。
コーキングを打つ様子
屋根の取り合いも、職人さんを中心に納めていただきました。角度が換わるところも、屋根が複雑に重なるところも、初めからこの形の板金があったかのように納めていく職人さんは本当にかっこよかったです。
屋根のおさまり
無事、だれも屋根から落ちることなく、工事を終えることができました。
屋根工事 終了!
このあと、雪が降ったり、「丁稚基地」はじめての梅雨を迎えたりしましたが、今のところ屋根からの雨漏りはみつかっていません!ばんざい!
まだまだ工事の振り返りは続きます、今後の投稿もおたのしみに。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
森と木のクリエーター科
木造建築専攻2年 小島