環境家計簿 2016~2020年版
環境家計簿をご存じでしょうか。
電気やガス、灯油といった光熱使用量から、皆さんがどの程度のエネルギーを使用しているかを分析するツールです。
単純に使ったエネルギー量だけだと、多いか少ないかがわかりませんよね。
そこで、標準的なエネルギー量と比較することで、冬はエネルギーを多く使っている(暖房が多い)とか、春は少な目(家電や照明が少ない)だとかの目安がわかります。
これまでも、木造建築専攻のHPで環境家計簿をダウンロードできるようにしていましたが、このたび標準値をアップデートしました。
総務省の家計調査(全国約9千世帯の調査)の値から標準データを2016~2020年の5年間にアップデートしました。
以前の2006~2010年版からエネルギー消費量が少し減ってきています。
6地域の4人家族を比較してみると、2006-2010年版が77,040MJ、2016-2020年版が72,163MJと、6.3%の減です。※
オレンジ色が2016-2020年版、グレーが2006-2010年版です。
棒グラフが各月の合計エネルギー[MJ]、折れ線グラフが、電気、ガス、灯油のエネルギー[MJ]の比較です。
各月、少しずつ減っていることがわかります。
以前の環境家計簿のデータもダウンロードページから見ることができます。(一番下の方)
使い方の動画もアップしていますので参考にしてください。
総務省の家計調査から標準値の求め方は、以下の通りです。
1.世帯人数ごとの光熱費を求める
・2~6人以上世帯は3-1世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出から光熱費を各年度ごとに取得
・単身世帯は1-11世帯当たりの品目別支出金額(単身世帯)から光熱費を各年度ごとに取得
2.各年度の燃料ごとの平均価格求める
・光熱費単価を4-1都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額,購入数量及び平均価格を各年度ごとに取得
・都市ガスの単価(2017-)は新電力ネットより取得。2017年以前は150円/m3と仮定。
3.光熱費と燃料ごとの単価から、家族人数ごとの年間使用量を算出する
4.各地域の月ごとの変動を求める
・1-1都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり1か月間の収入と支出 から、各月ごと、各都市ごとの値を取得
・燃料ごとに、月別、都市別に5年間分の光熱費を算出
・全国の平均値を基準に、各都市の割合を算出(地域区分の平均値を取得)
5.家族人数ごとの年間使用量に地域・月変動を乗じて標準値を算出
※原単位を新しいものに揃えていますので2006-2010のPDFの値と少し異なります。
教授 辻充孝