南面耐力壁設計加工編(自力建設2023 ほとりの櫓)
今年の自力建設である「ほとりの櫓」には樹状の筋交い耐力壁が3ヶ所に設置されます。
大きく東西面と南面の2つのデザインに分かれますが今回は南面の耐力壁についてご紹介します。
23年度の自力建設「ほとりの櫓」の近くには小河が流れており木々も生い茂る自然豊かな場所に建ちます。
そのため南面の耐力壁は有機的かつ規則的なデザインを目指し大きな樹木を模したデザインとしました。
いくつか踊り場のエリアがあるためその境を基準にして大きく根の部分と土の上に育つ樹木をイメージしました。
また、想定される地震力と耐風力を考慮し構造解析も実施。
今回は構造体がそのまま仕上がり時に見えてくるため
構造金物を使用しつつも木組みでの耐力の確保にも挑戦した設計を行いました。
そうして設計したデザインをもとに施工図を作成し
いよいよ墨付けと刻みの作業に。
今回の加工の難点は筋交いの角度がそれぞれ異なる点、
材料同士が交差する点を互いに切り欠きピッタリと納める必要がある点です。
そのため今年度2回目の大工合宿にて大工さんに指導を乞いながら木材を加工していきます。
今回の加工は木材に対してさまざまな角度がついているため
それぞれの角度に合わせて木材の加工を進めます。
これは斜めに電動丸鋸を入れた後の写真です。
この後、切り目を入れた箇所を剥がし取ります。
また、合宿途中ではスイーツの差し入れもいただきました。
冷えた体を温めつつ、糖分補給。
そうして木材の加工を終えたものから「仮組み」を行いました。
仮組みとは実際に建てる前に仮に組み上げながら、微調整を行うことです。
ただこれがなかなかうまくいきません…ちょっとのずれで木材が噛み合わず
一度外しては微調整して、また合わせての繰り返しです。
少しずつ耐力壁の下部から組み上げていくものの思うように進まず…
大工合宿の終わりも差し迫る中
少し残業もさせていただいて仮組みでの調整も無事完了!
今回の合宿で電動丸鋸の腕も随分と上がった気がします。
全長6M越えの耐力壁、竣工をお楽しみに!
森と木のクリエーター科 木造建築専攻1年 岩本
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