2025年02月07日(金)
改正建築物省エネ法(2025年4月~)
専門技術者研修者向けのすこしマニアックな話題です。
2025年4月に建築業界で大きな法改正が控えています。「建築基準法」と「建築物省エネ法」の改正です。
詳しくは、建築物省エネ法のページをご覧ください。
資料ライブラリーのページからテキストや資料、オンライン講座で学べます。おすすめです。
国交省の建築物省エネ法 最新の法令のページから最新情報が確認できます。
省エネ基準の適合判定 4つの方法
今回の建築物省エネ法の改正の中心は全ての新築住宅・非住宅建築に省エネ基準適合を義務付けです。
一部適用除外もありますが、2025年4月以降の着工分は適合確認する必要があります。
増改築工事においても省エネ基準の適用対象ですが、原則、増改築を行った部分が適合しているか判断することになります。こちらは先日の投稿で解説しました。
新築において、適用除外建築と新3号建築物を除き、省エネ基準に適合しているかの確認が必要です。
方法として、
1.エネルギー消費性能適合性判定(省エネ適判)
2. 仕様基準または誘導仕様基準による評価
3. 設計住宅性能評価(断熱等級4かつ一次エネ等級4以上)
4. 長期優良住宅建築等計画の認定または長期使用構造等の確認
4. 長期優良住宅建築等計画の認定または長期使用構造等の確認
です。
仕様基準または誘導仕様基準ルートが簡単
最も簡単で手続きが早いのが2の仕様基準のルートです。
こちらから仕様基準、誘導仕様基準のガイドブックが手に入ります。
ガイドブックを見ながら6ページと7ページを埋めていただくだけの簡単な書式です。
また、昨年末に「仕様基準に基づく仕様表作成ツール」が公開されました。
エクセルを使って仕様基準の書式を作成できます。
おすすめは標準計算ルート
仕様基準が簡単で早く建築確認がおりますが、仕様基準ルートでは省エネ基準の適否のみの判定で性能が分かりません。建物の資産価値などを考えた場合にしっかりとした性能が明示されていることは建築主にとってもメリットが大きくなります。
そのため、おすすめは「標準計算」(下図の左ルート)です。
つまり、外皮平均熱貫流率UA値と外皮平均日射熱取得率ηA値、一次エネルギーで性能を明示することです。
ただ、2025年4月当初は、建築基準法の改正と合わせて混雑が予想されます。
建築確認を急ぐ場合は、仕様ルートで建築確認申請を通し、変更申請で省エネ適判を受けるなど、スムーズな事務処理を検討することもアリでしょう。(下図のNo.1のルート)
標準計算ルートの場合、標準計算の方法を知っていないと評価できないことになります。
まだ計算が慣れていなかったり、そもそも省エネ法をよく理解していない方は、国交省のオンライン講座がおすすめです。
また、森林文化アカデミーの専門技術者研修の受講も検討してください。プロ向けの講座が無料で受講できます。
現在、全3回のエコハウス講座を開講中ですが、期間限定で動画配信も予定しています。2025年度の実施も検討していますので、時々チェックしてください。
拙著「ぜんぶ絵でわかる7エコハウス」でも、わかりやすく解説しています。書籍の付録でエクセル計算ツールも付けていますので、参考にしてください。