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2025年02月06日(木)

住宅用太陽光発電FIT制度の改正(2025年10月~)

専門技術者研修者向けのすこしマニアックな話題です。
 
2025年度の後半(10月)以降の新設・申請される住宅用太陽光発電の余剰電力の買取価格(売電価格、FIT調達価格)が大きく改正される見込みです。

2024年度現在は16円/kWhですが、
次年度2025年9月までは10年間15円/kWh、
その後2025年10月以降は、0年〜4年の4年間が24円/kWh、5年〜10年の6年間が8.3円/kWh(10年平均は14.6円/kWh)

ねらいは、2050年カーボンニュートラルに向けての住宅用太陽光発電のより一層の普及です。初期の買取価格を高く設定することで投資改修期間の短縮と予見確実性を高めることが期待されています。

初期4年間の売電価格24円/kWhが高いといっても、買電価格(現在はおおむね35円/kWh程度)には届きませんので、自家消費の重要性は変わりません。
また5年目以降はかなり安くなるので、前期4年の間にどのように対策するかの猶予ができた感じでしょうか。

自家消費への移行に関しては、「ぜんぶ絵でわかるエコハウス」199頁にも少し記載しましたが、日中の余剰電力を、
・蓄電池の活用(徐々に安価になってきている)
・電気自動車への蓄電(V2H)
・おひさまエコキュートなどの蓄熱
・内装や家具などへの蓄熱で夜間の暖冷房の削減
などが考えられそうです。

20年間の投資回収年を試算してみました。

売電価格が2012年の42円/kWhから年々安く(薄オレンジ)なっていき、2025年前半は15円/kWhと半分以下まで安くなっています。
その分、設置価格(グレー)も年々安くなっており、2012年の初期費用43.1万円/kWから2024年には25.5万円/kWに下がっています。(メーカーや設置業者で異なります)
運用維持費を6万円/20年間、買電価格を30円/kWh、自家消費30%20年後に10%前後プラス(オレンジ)で推移しています。

自家消費率を40%にアップし高い単価の買電を減らしていけば20年後に20%前後のプラスに向上します。

経済産業省の調達価格等算定委員会(直近2025年1月30日開催)のHPはこちら。
例年2月に最終案がアップされその後のパブコメと閣議を経て最終決定します。

https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/102.html

住宅用太陽光発電に関する案はこちらの18~29頁。

https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/102_03_00.pdf

添付画像の表はこちらの1頁。

https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/102_b01_00.pdf

 

また、住宅では少ないと思いますが10kW以上の大容量太陽光発電の場合は下記の予定です。

教授 辻充孝