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2025年01月27日(月)

薪ストーブ、ペレットストーブの省エネ評価

morinosでも活躍している薪ストーブ。暖房に加え、火のゆらぎが心地よく空間に彩を与えてくれます。
我が家でも活躍していてお気に入りの暖房設備です。
 
 
そんな薪ストーブですが、今年の4月から省エネ基準の適合義務化に合わせて、省エネ性能の評価がようやく建築物省エネルギー法に導入されます。
 
すでに公開されている省エネ基準の時期更新版(2025年4月以降の運用)では、薪ストーブとペレットストーブが選択できるようになっています。

計算内容を詳細に解説する技術情報も公開されました。
最大暖房出力や断熱性能などの補正もほんの少しかかりますが、基本的には暖房負荷を定格熱効率で除した値となります。
(ペレットも基本は同じで薪ストーブにファンや点火の電気が加わる感じ)
 
そのため、薪ストーブの熱効率と、FF暖房機のエネ効率が同じなら、だいたい同じ程度になります。(FFは少し電気を使うので悪め)
 
仮に、morinosに設置した薪ストーブAGNI-CCのHP記載の出力10kW(8,640 Kcal/h)、熱効率85.5%で計算するとFF暖房機(規定値86%)と同程度、エアコン(省エネ対策なし)の1.21倍くらい悪くなります。
 
ただ、正式な入力に必要な「最大暖房能力」と「定格熱効率」は「JFSA/PSJ-01:2024」に規定する値となっていますが、現状はなかなかこの規定の表示はされていないようです。
 
薪ストーブってそんなに悪いの?、エアコンより省エネじゃないの?
っていう人もいるかもしれませんが、個人的には、今回の一次エネルギーの計算は妥当かなと感じています。
 
大切なのは「省エネルギー」と「非化石エネルギー推進(CO2削減)」を分けて考えること。
どちらも大切な視点ですが、一緒にすると論点がずれてしまいます。

今回は省エネルギーの話。
薪ストーブだろうと、薪という燃料を燃やし(エネルギーを消費)ています。(さらに木材に固定されていたCO2も大気に放出します。)
 
その意味で、薪ストーブだからいくら使っても良いというのではなく、断熱をしっかりと行い日射取得もして薪の使用量を減らすべきです。
しっかりと使った分のエネルギーを表示することで、省エネ性能が低いとなると、しっかり断熱するなど、消費量を減らす方向への誘導になると思います。
 
ちなみに現在は、ペレットの製造エネルギーは見込んでなさそうです。
 
ここで私の考えを少し紹介。
エネルギーは身近なところからが基本と考えてます。
なので敷地内で取得できるエネは、ほぼ太陽熱と太陽光。日射熱取得と太陽光発電をまず考えるべき。
日当たりが良い立地であれば、その中でも効率の良い日射熱が先。日射取得を活かすのは断熱や日射取得、気密の躯体性能。
次いで太陽光で発電した貴重な電力を活かす高効率設備の導入。
それで不足するなら地域(森林県なら)で取れるバイオマス、
さらに不足なら国内に広げて水力や風力といった感じでしょうか。
ここまでで抑えられると国産自給率100%。
 
ただ、断熱が高いと薪ストーブは低出力で運用できないのでオーバーヒートしてしまう。
蓄熱式薪ストーブは高価だし・・・。
また、空調のエアコンと放射の薪ストーブでは心地よさが違う。
炎の揺らぎも心地いい。調理もできる。
距離の違いによる刺激的な暖かさの変化など魅力も異なる。
設計者として何を選択、提案するかは面白い悩みです。
ともあれ、ようやく公式にエネ(選択基準のひとつ)を比較できる土俵に乗ってくれたことはありがたい。