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2024年01月24日(水)

壁-1GPへの道 その1

突然ですが、壁-1グランプリ(カベワンGP)をご存知ですか?

カベワンGPは実物大の木造耐力壁を組立て、2体ずつ足元を固定した状態で桁を互いに引き合わせ、どちらか一方の壁が破壊するまで行う対戦形式のトーナメント大会です。言葉だけではよくわからないので、実際の様子は下記の写真です。

カベワンGPの競技風景

そもそも耐力壁とは地震や台風などで建物に横から力が加わった時にその力に抵抗するための壁です。

木造住宅の耐地震力や耐風力の評価において、この耐力壁の量と配置バランスで評価されている場合が多いです。
耐力壁の構成や材質は様々規定されており、それぞれ決められた強さがあります。その耐力壁の強さ(だけではないが)を競い合う大会がカベワンGPです。
カベワンGPの前身の木造耐力壁ジャパンカップの第1回大会が開かれたのが1998年で、2018年からはカベワンGPとして開催されています。

木造耐力壁ジャパンカップの時にはアカデミーからの参加もあり、2002年にはアカデミーで開催されました。
しかしながら2007年を最後にアカデミーからの参加は途絶えていました。
私がアカデミー入学後に木造構造を志した時にカベワンGPの存在を知りましたが、1年時は自力建設で参加は困難でした。
2年生になり、自力建設で苦楽を友にしたメンバーでなら大丈夫だろうと思い、参加に至りました。

参加することが決まっても、いきなり本番に挑むわけにはいきません。
まず耐力壁を設計して、どれくらいの耐力があるのかを試験して、そして改良が必要です。また本番では壁の組み立てをグランプリ当日に行う規定で、その組立時間等も採点対象になります。したがって、組み立て手順も含めて事前準備が必要です。

まず、耐力壁のプロトタイプを試作。構造は木造建築の伝統構法の貫を使用することにしました。
材料は自力建設の残り材をかき集め、木取りから墨付け、刻み、組み立てへ。自力建設の手順そのままです。

刻みの様子

試験はアカデミーの木材開放試験室(オープンラボ)で行いました。

試験は、卒業生で現在NPO 法人WOOD ACに所属してオープンラボで耐力壁などの試験をしている宮森庸介氏にお手伝い頂きました。

プロトタイプ耐力壁の試験

試験の結果は、貫構造らしく粘りを見せましたが、あまり芳しくない値。カベワンGPの過去の様子から見ると予選落ちしそうな値です。

さて、どうする?(つづく)

 

木造建築専攻 2年 杉山達彦