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2025年01月15日(水)

伝えたい人に届くように「情報発信演習」

クリエーター科全専攻が履修可能な選択科目「情報発信演習」。
現代は、誰でも自分で自分のことを発信できるようになった初の時代です。
クリエーターになる人は、情報発信をどのように捉え、どのように行ったらいいのか、

1、コンセプトワークを身につける
2、自分が良いと思うものを発信できるようになる

という2つの目標に向かって全7回の授業が実施されました。

 

第一回「プレスリリースのつくり方」

初回は、オリエンテーションのあと、いきなりプロの記者をお招きしてプレスリリースのつくり方を学びました。

「情報発信演習」プレスリリースのつくり方

 

第二回と第三回「SNS運用とスマホ写真講座」

広報はまさにSNS戦国時代。SNSができないとクリエーターにはなれない……訳ではありませんが、世の中の情報発信が、どのように交錯しており、どんな認知につながっているのかを、実際にインスタアカウントをつくって運用することで理解していきます。

大切なのは「何を」「誰に」伝えたいのかを意識することです。

アカウントは文化祭の出し物ごとにつくって、グループで運用をするのですが、その前にコンセプトを整理し、ターゲットを設定します。
つくったアカウントはこちら。

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アカデミー翔楓祭公式アカウント https://www.instagram.com/gifuac_shofusai/

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翔楓祭ごはん(飲食全般) https://www.instagram.com/shofusai_gohan/

森のなかまたち(チェーンソーアート) https://www.instagram.com/ac_chainsaw_art/

秋のキノコ展(津田先生による展示) https://www.instagram.com/mushroom_academy/

きのこけし美久事(木のこけし) https://www.instagram.com/21matatabi/

森の演奏会(音楽全般)

森のアップサイクル(おが屑アートWSなど) https://www.instagram.com/forest_upcycle/


情報発信演習授業の様子9

ところで、インスタは写真をメインで発信するSNSなので、スマホで上手に写真を撮る技術も学びたいですよね。
そこを、美しい撮影はもちろん、カメラやデジタル機器にも詳しい渡辺圭先生が、講義してくれます。
写真の露出や被写体深度などの基本から、構図が与える印象について、わかりやすく説明があり、早速学内で撮影しに。
そして、各自が撮ってきた写真を、みんなで相互に講評します。

情報発信演習授業の様子8

写真で伝えたいことを伝えるには、ただ漫然と撮らないこと。写真には、撮影者の息遣いがこもり、それが鑑賞者に伝わります。
惜しい写真がたくさん出てきたので、その場で教員がトリミングしたり、改善点が指摘されました。

写真テクニックに触れ、数週間インスタを運用し、どんな投稿が誰に閲覧されたのか、解析をかけます。はじめに設定したターゲットに届いたでしょうか?

情報発信演習授業の様子14

before。撮りたいものが多くて、要素が増え過ぎてしまい、伝わりにくい。

情報発信演習授業の様子13 

after。思い切ってトリミングして主役を主役らしく。

 

第四回「自己紹介スライド」の作成

パワポでプレゼンする技術を学ぶ実習です。自分のことを紹介するのですが、担当のコバケンさんからは、まず「ストーリーボード」を書くように講義がありました。
NHKでテレビ番組をつくる時によく使われる手法で、ポストイットを使ってスライドの内容を構成しています。
これは地図のようなもので、何を伝えたいのかが明確になるコンセプトワークそのもの。おかげで途中で迷わずに最後までスライドを完成できます。
みなさん、演出も嘘もなくかなり素直に自己紹介していて、個人的にそこが興味深いな〜と感心していました。

情報発信演習授業の様子7

ポストイットで構成すると、構成を替えやすい。

 

第五回「ポスター」の作成

今度はポスターのつくり方について。デバイス上で広告を見るようになったいまでも、ポスターは紙媒体だけでなく、駅やビルのモニター上で、静止画広告としてまだまだ使われています。2Dの静止画、いわゆるグラフィックデザインは、わたし松井匠が担当で、講義と実習をしました。
グラフィックデザインは、伝えたいことが一瞬で伝わるかどうかが勝負。ポスターは大きく分けて「広告用」「研究報告用」の2種類がありますが、伝わりやすさが勝負なのは両方とも同じ。フォント、文字サイズ、行間隔、文字送りなどの基本的なテキストのスキルから、目線の誘導や認知負荷の低減まで、かなり多くの「コツ」を散りばめた授業になりました。

実際に卒業生がつくったポスターを直す(笑)という作業をじっくりやることで、理解だけでなく、手に技術をつけていきます。

 

左:before なんだか読みにくいけど、  右:after すっきり読みやすく。

 

第六回と第七回「60秒動画」の作成

最後の課題は「60秒動画」の制作。
ショート動画がSNSを席巻していますが、人に伝える手段としての「動画」は、静止画よりはるかに多くの情報を含むことができます。
担当のコバケンさんは元々映像畑出身。なんと「ガメラ3」「創聖のアクエリオン」などを制作するプロの世界でしっかりと技術を身につけた元映像クリエーターです。
まずはコバケンさんが映画「レオン(日本劇場版予告)」を紹介。たった2分に映画の魅力を余すところなく込めた傑作予告動画です。学生も自分の好きな動画をネットで探して、みんなに紹介し、意見を聞きます。それから自分の動画をどんなものにするか、絵コンテやストーリーボードで設計していきます。

情報発信演習授業の様子4

最終回は、とうとう各自の動画を発表です。

美濃での日常を「誰かが自分の記憶を後で再生した」という設定でまとめた動画。
軽トラの魅力を伝えようと、軽トラにまつわる良き思い出にフォーカスした動画。
経木とその製作技術への思いを込めた動画。
外国に向けて日本のお正月の文化を紹介するためにお寺の大晦日を撮った動画。
自分のフォロワーへの年始の挨拶動画。

情報発信演習授業の様子1

情報発信演習授業の様子15

特に、「記憶」をコンセプトに美濃の日常をセンスよく60秒にまとめた安達さんの動画は見事でした。

1、コンセプトワークを身につける
2、自分が良いと思うものを発信できるようになる

この授業で少しでも身についたでしょうか。
自分の表現が人から見たらどう見えるか、じっくり考える機会になったのでは。
これからも情報発信に気を遣ってね。

 

木造建築教員:松井匠