建て方-軸組編-(自力建設2024「栞」)
さて、基礎工事や残っていた木材の加工も無事に終わり、いよいよ建て方がスタートします。大工合宿の際に一度仮組を行ってはいますが、現地で本当に問題なく建つのかドキドキします。
建て方でも、大工合宿でお世話になった大工さんご指導の下、エンジニア科のメンバーと共に3日間かけて作業を行っていきます。
まず初めに、土台の位置決めで、基礎に墨付けを行っていきます。墨付けの際、基準の点から正確な垂線を引くためにレーザーを用いて墨付けを行いました。
基礎にはボルトが刺さっており、ボルトが通る穴をあけるために土台にボルトの位置を墨付けしていきます。
土台の穴あけまで終わったら、基礎と土台の気密性を保つため土台に気密パッキンを留め付け、墨付けした位置に置いていきます。問題なく置けるだろうと思っていましたが、土台にあけたボルト穴が垂直ではなく少し傾いてしまっていたためにボルトが通らない箇所があり、穴の修正を行いました。大工合宿の時にも感じましたが、ほんの数ミリ、少しのずれが問題につながることを再度実感しました。
土台を墨通りに置くことができたので、いよいよ柱・桁・登り梁といった構造材を組み上げていきます。
場所によっては、掛矢と呼ばれる大きなハンマーを使って部材を打ち込んでいきます。
仮組の時は、下小屋のホイスト式クレーンで部材を持ち上げていましたが、今回はないためフォークリフトに材を乗せて桁を柱に差し込んでいきました。ここまでパット見た感じは順調に建ち上がっているように見えるのですが、柱が少し傾いていたり、柱と桁の間がすいてしまっていたりと問題が発生してしまっています。
そのため、全体を組み上げてから、仮筋交いを設置したり、ラッシングベルトを使用して建ち(垂直)をとっていきます。筋交いやラッシングベルトで修正されている間に、込み栓を打ち込んだり、パネリードというビスを揉みこむことで部材を正しい位置に固定していきます。
固定が終わった棟から残りの登り梁をかけていきます。
登り梁をかける際に、登り梁と桁を繋ぎ合わせるダボという長方形の短い棒をそれぞれの穴に差し込んでいくのですが、穴の深さや角度がおかしい箇所がいくつかありました。そのため穴に合わせてダボを加工しながら差し込んでいきました。大工の森下さんにも加工していただいたのですが、足場も不安定な中、素早く正確に加工を行う姿は、流石の一言でした。
2日間かけて、今回予定していた全ての軸組を組み上げることができました。
残すは3日目に、「屋根仕舞」と呼ばれる作業を行い建て方は完成となります。屋根に野地板を取り付けることで、建物の雰囲気がどのように変わるのかお楽しみに!
木造建築専攻1年 石岡大樹