【視察報告】全国優良銘木展示即売会を視察しました
木造建築専攻・講師の石原です。
皆さんは、岐阜県の観光スポットといえばどこを思い浮かべますか。
おそらく、このブログを読んでいるほとんどの人が、
「銘木市場(岐阜県銘木協同組合(岐阜銘協))」と答えるのではないでしょうか(ですよね?(念押し))。
今年は10月16日から18日まで全国優良銘木展示即売会(製品市、原木市)が開催されており、
このうち18日に開催された原木市を岐阜森林研究所の中通部長と視察しました。
日本一大きい銘木市場と知られる同組合、あらゆる樹種の原木と製品が集まります。
最終製品にまで加工した商品も競売に出されているのには驚きました。
最近、人気の高いクロガキ。大径にはなりませんが、かなりの高値で取引されるとか。
胸を高鳴らせつつ、原木市を見学します。
ラベルの1番上の数字が商品番号、その下に書かれた数字が長さと末口径、その下の数字が材積になります。競りの金額は㎥単価として行われますが、形状が複雑で材積が出せないものは本代(一本の代金)として競りが行われます。
ラベルの最下段に樹種名が記載されていますが、岐阜銘協ではケヤキとトチは取扱量が多いため記載が省略されています(このほか、主要針葉樹種のスギとヒノキについても記載が省略されています)。
競りの現場では、威勢のいいリズミカルな掛け声が響きます。
さて、こんなに曲がったトチの木ですが、果たして値がつくのでしょうか・・・
・・・と思っていら、それなりの高額(23万円/㎥)で落札されていました。
どのような用途の製材品になるのか気になるところです。
私が見学していた中では、このトチが最高値(370万円/本代(推定約5㎥))で落札されていました。
広葉樹のみならず、スギ・ヒノキも出品されていました。
国有林から出された天然ヒノキには、産地の表示もなされています。
これらの天然ヒノキは総じて高値がついていました。
スギについては、写真中央の巨大な原木が17万円/㎥で落札されていましたが、
その他は5~6万円程度で落札されていました。
当然ではありますが、樹種によって相場はかなり異なってきます。
市場を見学していると、何となく「買い手はこういう部分を評価しているのかな」と思うこともあるのですが・・・(素人の私からすれば)銘木の値段の基準は、正直なところ良くわかりません。
「これはそんなに高くないだろう」と思っていた原木に高値が付くこともあれば、その逆もあり・・・。
授業では「腐れや曲がりは嫌われますよ」と教えているのですが、それはあくまでいわゆる「並材」における常識で、銘木の世界ではあてはまらない場合もあります。
・・・端倪すべからざる銘木の世界を垣間見た一日でした。
講師 石原 亘