「木造建築の総合デザイン演習」高知県立林業大学校とのワークショップ
毎年恒例の高知県立林業大学校(以下高知林大)との設計ワークショップが今年も開催されました。岐阜、高知と交互にホストとなりワークショップを行うのですが、今年は岐阜にてアカデミーがホストとなります。
ワークショップの設計演習のための敷地調査の前に、その道中の途中にある美濃市のうだつの上がる町と古民家を改修したホテルの見学を行いました。
普段は入ることのできない宿泊施設の中を見学でき、古民家の改修方法や改修のポイントを学ぶことができました。
今回の設計演習における計画地は美濃の市街地からは少し外れた場所にあり、すぐ近くに自然のある敷地となっています。
目の前に長良川が流れており。川のせせらぎが心地よい景観に優れた敷地です。施主の要望でも川を眺めることのできる住空間を望まれているため、この長良川と住宅をどのように関連付けて計画できるかが一つの鍵になりそうです。
また、今回はウィークエンドハウスとなり、一般的な住宅ともまた異なる考え方も必要になるのではないかとも感じます。
そして、アカデミーに戻り、事前に組分けしていたチームごとに作業を開始しました。敷地の見学と施主へのインタビューでわかった情報や感じたこと、をもとに各チームがそれぞれの進め方で試行錯誤しながら計画を進めていきました。
スケッチや3Dモデリング、模型を使いながら各チームプレゼンに向けて、それぞれのチームごとに計画を進めていきました。アカデミー2年生は昨年経験しているので、この短い期間での設計提案の大変さはよく身に染みていますが、今年も1日目から夜遅くまで作業するチームもあり、その大変さを物語っています。
2日目の終盤には各チーム計画もまとまり、プレゼン資料作成に入っていきます。
3Dモデル作成、CADによる図面作成等、それぞれができることを分担し作業を進めていきました。明日のプレゼン時間まで残り24時間を切っているのでどのように効率よく進めることができるか、誰が何をできるかを把握しながら進めることの重要さを身に染みて感じます。
そして、怒涛の3日間の最後に施主へのプレゼンテーションを行いました。各班順番に計画の提案を行い、それに対して質疑、感想をいただく形式で進行していきます。
普段の先生方からいただく意見とは異なり、実際にここに住むことを想定されている方の意見ということで緊張感もありながら、リアリティのあるお言葉をいただくことができ、刺激の多いワークショップになったと感じます。
アカデミーと高知林大の即席チームということもあり、各個人の技量や知識量、使用できるツール、建築設計に対するスタンス等バラバラでしたが(チーム間での偏りも…)、最後のプレゼンを聴き、各チームがそれぞれに考え抜いた計画ができたのではないかと感じました。アカデミーの1年生はまた来年、今度は高知へ赴き同様のワークショップを行うと思うので、今年の学びを生かしてより良い建築を目指して頑張ってほしいと思います。また、高知林大の学生は今年度の1年で卒業ということで、来年度からは建築の実務に入ると思いますが、このワークショップの中で実務に生かすことのできるような学びもあり、充実した時間となっていたのではないかと思います。
木造建築専攻2年 山下 修平