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2024年08月30日(金)

大工合宿開始!「番付と墨出し」(自力建設2024「栞」) 

大工合宿がついに始まりました。※以前は合宿形式でしたが、現在は通いです。 

合宿場所は白川町にある東濃ひのき製品流通協同組合で、初日と2日目の作業は番付けと墨出しです。始まりは全員が輪になって、大工さんとアカデミー生で紹介しあい、棟梁からの一言で合宿開始!棟梁から大工さんへ建物の説明や、本日の段取りを確認します。 

前日に積み込んだ木材を皆で協力して降ろし、まずは柱、次に梁、土台と材分けし、それぞれにどの材をどこに使うか決めていきます。柱であれば、一番目に付く独立柱には、四面割れがなく節が少ない一番いい材を使おう、とか、登り梁であれば、反りもみて上面をどちらに持ってくるか、“元”を下がり側に、とか。大工さんから材の見方などを教えてもらいながら、使う場所や向きを決め、通り芯符号を材に記していきます。これが番付け。 

 

番付けが終わると、墨出しです。柱、梁、土台の各班に分かれて、大工さんの指導の下、図面を見ながら鉛筆で、刻む箇所を木に直接描いていきます。大工さんは消えないようにペンで書いたりするそうですが、私たちは消せるように鉛筆です。今回の建物は比較的シンプルですが、斜柱があり、角度のある納まりなどは、初めて墨出しをする私たちにはちょっとややこしい。その角度のある墨出しを差し金という道具を使って一瞬で出してしまう大工さんの技はマジックをみているようでした。 

最初は頭が混乱し、何度も確認しながら作業を進めましたが、徐々に慣れスピードもアップします。そうして調子に乗って、図面を見ずに作業を進めた結果、やり直すことも・・・。 

猛暑の中、皆黙々と作業に集中します。大工さんからのアドバイスがあったり、図面の間違いや不備があったりすると、学生同士で話しあって修正することも。学生同士であーだこーだ言いあっていると、大工さん達は常に黙って見守ってくれているのでした。 

初日は想定建築主の木工専攻の渡辺先生も参加されました。以下ご感想の要約です。 

『墨付け(=墨出し)は基本的には木工と同じだが、建築に特化した専門的な道具があり、スケールの違いから携わる人数が多く情報共有が重要だと感じた。木工では小根付きほぞがねじれ防止に使われるが、建築では隙間隠しのためにも使われるなど、材の完成後の動きの違いも興味深かった。建築は分業が主流だが、設計者が墨付けから加工まで経験することは今後の設計に活きてくると思う。一日のみの参加だったが多くの気づきがありいい経験となった。』 

丸一日一緒に作業を行い、活発な意見交換もあり、学生にとっても有意義でした。 

 

今回、番付け作業で木材の初歩的な見方を知り、図面を読んで墨出し作業を行うことで、木造図面においての、基準の考え方や押さえておく寸法など、必要な情報や反映すべき内容の理解が深まりました。刻みの基本的な仕組や構造を学んだこともとても有益でした。 

二日間で墨出し作業を完了することはできませんでしたが、三日目からはエンジニア科2年生の3人も加わって、刻みも始めていきます。残りの大工合宿で仮組まで行う予定です。墨出し間違えていないよね・・・仮組バッチリいくといいな・・とドキドキしながらも楽しみです。 

 

 

木造建築専攻 葛山