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2024年06月11日(火)

祝竣工!(自力建設2023 ほとりの櫓)

2023年度自力建設『ほとりの櫓』が約1年の時を経てこの春ついに竣工を迎えました。

2024年度の自力建設が始まったところですが、最後のブログにお付き合いいただければ幸いです。

 

この1年間、本当に濃密な時間でした。

建築を学び始めたばかりの私は勿論、実務経験者の中村さん、山下さんも木造は初めて。
わからないことばかりで右往左往する日々。
木造ならではの接合部詳細図の作成に頭を悩ませて迎えた大工合宿では、大工の鈴木さんを筆頭に厳しくも丁寧に墨付け・刻みを教えてもらいました。

自力建設が始まって23年、初の2層建築ということもあり、木材使用量は過去最多。大工合宿までには全量の木材が用意できず、上田先生も悲鳴を上げながら製材をし続けてくださり、そして森林研究所の方やWOOD ACの方々から善意で頂戴した不要な材を存分に生かすなど木材供給が大きな壁となる日々。

その後も木材が準備できるごとに刻み続け、さらに耐力壁の接合部などの難しい刻みは第二回大工合宿で指導をしてもらうなど、思い返すと刻み続けていました。
そして年が明けて、寒空の下ついに迎えた建て方では大工の皆様に大変助けられながら無事上棟を迎え、その後も鈴木さんが紹介してくださる職人の皆様に板金工事や電気工事ではたくさんのお力添えを頂戴しました。
学内のみんなにも基礎工事の掘り方や仕上げのダボ埋めで助けてもらったり、木工専攻の同期のみんなとはランプシェードを共同で作ったり、、、思い起こせばとにかくたくさんの人に助けられ、支えられ竣工を迎えることができました。

そして木造建築専攻23期の5人全員が誰一人欠けることなく、支え合い、助け合いここまでこれたことが棟梁としては本当に嬉しく、そして心からありがとうの気持ちで一杯でこの日を迎えました。

 

竣工報告会は、同期の皆にも内緒で作り上げた想いで振り返り動画からスタートです。(情報発信演習の授業で得た動画編集技術が生かされました♪)

2023年度自力建設の課題設定背景を改めて伝えつつ、『ほとりの櫓』のコンセプトや機能説明をいたしました。
報告会後、ほとりの櫓現地で竣工式です。

移動の道中では事前に作りこんだ「竣工新聞」を配布し、竣工式が始まるまでの時間を楽しんでいただきました。

竣工式では想定施主の津田先生から23年間不便した想いとそしてこの階段で学内の交流がこれまで以上に深まる実感がある、とのお言葉を頂戴しました。

そしてこれまで支えてくださった東濃ひのき製品流通協同組合の大工鈴木さんからも、様々な思いに言葉を詰まらせながら「良い建物ができて良かった」とお褒めいただき、私共も本当に嬉しい気持ちで一杯になりました。

最後にこれまで支えてくれた学内の皆様に向けてお楽しみ企画「お菓子撒き」をしてめでたく竣工式は結びを迎えました。
※旧来、東海地方では本来上棟式の時にお菓子撒きをするのが通例でした。

建築を学び始めて約1年、自力建設を通して、建物は本当にたくさんの人の力が集まって出来上がっていくことを実感し身をもって学ぶことができました。
そこには技術だけではなく『想い』や『志』のような人ならではのあたたかさも介在しています。
空間としてのあたたかさはきっとそんなところから出来上がっているのかもしれません。
それは私がこれまでかかわってきた『結婚式』をお客様や関係会社の人と作り上げる感覚にも似ているなとしみじみ感じていました。

これから私たちがどのようなフィールドで活躍できるかはまだわかりませんが、この自力建設を経験したからこそ得られたものを胸に進んでいきたいと思うばかりです。

 

この春入学した新入生からは「ほとりの櫓に込められた想いを未来にも伝えていきます!」と熱い思いが寄せられており、私たちの1年間が未来へ繋がっていくことに、えも言われぬ嬉しさを感じています。

 

2023年度自力建設『ほとりの櫓』はこれにてめでたく結びとなりました!

2024年度自力建設もどうぞ応援よろしくお願いします!

木造建築専攻2年 棟梁 三輪昂寛