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2021年10月25日(月)

ワクワクする森をめざして:森林空間利用実習

今年から新たに新設された実習【森林空間利用実習】

学生が記事を書いてくれたので報告いたします

~以下、 林業専攻 齋藤智比呂さんの報告です~

 

●林業というと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?

伐り株

山で木を伐ることでしょうか?それとも下刈りや枝打ちといった木を育てることでしょうか?昔のような木の使い方をしなくなった今では、木の価値が昔ほど高くなく、手入れの行き届かない山が増えています。この授業では、木を育て伐ることだけが林業なの?という考えから、「森林空間の利用」を含めた林業の在り方について考えました。

 

訪問したのは、郡上市高鷲町にあるキャンプ場、「WoodMatchM(ウッドマッチム)」。キャンプ場のオーナー本田さんから設立の想いと隣接する森の状況を教えていただきました。

このキャンプ場は、人間と自然が心地よく近づける場所を創りたい、という想いのもと運営されています。自然豊かなため野生動物も多いそうです。

事前に設置したトレイルカメラには猪・鹿・猿が映っていました

現在使われていないエリアで、キャンプに来たお客さんが森を楽しめるといいな!というオーナーの考えと、野生動物が専門の教員のアイデアにより、大人も子どももワクワクするツリーハウスのような場所で、夜に野生動物を観察できる空間をつくろう!という事になりました。

樹を痛めることなく挟み込み式の固定

そして、4本の広葉樹に傷をつけないように配慮した土台を組んでいき、板を樹上に組み、できたのが樹上のウッドデッキ。なんとこの木材たち、敷地内の森から伐った木でできているんです。刻みはオーナーさん自身で行ったとの事。今回使用した材は、樹皮のついたものや、枝そのものも使用しており、木や森を感じることのできる素敵なウッドデッキができました。

鑿も使えるアカデミー学生!

オーナーの本田さん指導の下、デッキと手すりが組み上がりました

ウッドデッキの上はいつもより葉っぱが近く、見える景色も別世界です。ここからなら、シカやイノシシに気付かれずに彼らを観察することができるでしょうか?林業の課題の一つに、シカなどの獣による被害があります。その対策の一つとして頭数を減らすことが行われていますが、今回はあえて、彼らを駆除の対象としてではなく、山に暮らす生き物として観察をすることにしました。ヒトもケモノもお互いに山を利用して生きています。この樹上のウッドデッキから彼らを観察することで、山に暮らす生き物との良い距離間を見つけられたら良いなと思いました。

また、今回は樹の下にも楽しめる空間を作ろう!ということで、下刈りをした後の細い木やササを使って誘導柵を作りました。枝やササなどを地面に挿し、そこに他の枝などを絡めていくだけの作業ではありますが、これがなかなかに没頭できる楽しい作業でした。

危険はなく楽しめ、かつ、森林内もきれいになるという一石二鳥の作業で、普段、森に関わることが少ない人でも気軽に楽しむことのできるアクティビティだなと、ここでも一つ、森林空間の利用方法を学ぶことができました。

完成して皆で集合写真!

以上

 

林業専攻の科目として設定していますが、なんと林業・森林環境教育・木工・建築すべての専攻から学生が参加してくれました。森の空間に可能性を大きく感じることのできる2日間でしたね。場所の提供・協力・準備等様々な点で支援をしていただきました本田さん本当にありがとうございました!!

 

 

 担当教員:新津