空き家対策スペシャルデー「郡上八幡チームまちや」「一般社団法人インク」
いま日本が取り組むべき「空き家問題」。良質な古民家から、そうでない家屋まで幅広い利活用の方法が求められています。
専門技術者研修「これからの木造建築を考える」では、空き家対策スペシャルデーとして、美濃・郡上地域で活躍する二つの団体をお呼びしました。
「一般社団法人インク」中島昭之さんと、「郡上八幡空き家対策チームまちや」武藤隆晴さん、山﨑寛功さん、猪股誠野さんにお越しいただき、専門技術者向けに各団体の活動を紹介してもらいました。
「一般社団法人インク」の中島昭之さんは、アカデミーの卒業生。美濃市内で「古民家再生・調査」を主軸にしながら「美濃わっしょいマルシェ」など美濃市の面白さを高めて伝えるイベントを開催するなど、その器の大きな人柄と行動力で幅広い活動を担っています。
中島さんは、アカデミー建築専攻の初代教授で現在も客員教授である三澤文子先生のエムズ設計事務所で修行した建築士であり、一般社団法人住宅医協会公認の「住宅医」でもあり、建築の専門的な技術の上に、こうした活動を展開しています。
この日は、自己紹介と空き家調査の方法論(ハード面)、広域な活動の紹介とその楽しさについてお話いただきました。
「チームまちや」の武藤隆晴さんは、生まれも育ちも郡上八幡。八幡町役場にお勤めで、30年以上郡上八幡のまちづくりに携わって来られた方です。武藤さんには、15年前、八幡町に外環道を通すことで目抜き通りを大型バスや通り抜けの車が通行しないことで町の空間を守ってきたまちづくりの活動から、空き家対策の成功例、それに伴う新たな課題についてお話いただきました。(ソフト面)
この日は、美濃市内にオープン予定のシェアハウスのプランニング講評会も行われ、有意義で示唆に富んだ研修会になりました。
建築専門家と、建築専攻の学生さん以外に、木工専攻学生さんも多数参加してくれた会でした。
人の暮らしを町ごとデザインしていくには、一つの特化した専門性だけでなく、スケールの大きなトータルな視点が必要となること、またそれは何かをつくることの先端においていつでもそうであること。さらに、現場にある挑戦と葛藤が伝わったかと思います。
インクとチームまちやのみなさま、ありがとうございました。