素材の特性を活かして設計しよう!先端建築学「建築材料」
建築をしようとするとき、地球上にある様々な素材の中で、何がその建物に適しているのか?
先端建築学の第一回目は、隈研吾建築都市設計事務所の長井宏憲さんをお呼びして「建築材料」のお話をお聞きしました。
森林文化アカデミーは木造建築に特化した専攻ですが、建物全部を木でつくるわけではありません。基礎はコンクリートを、窓にはガラスを、石や土や竹だって使うことがあります。ひとつの木造建築の中にたくさんの素材が使われているのです。そして、素材(マテリアル)はその特性を理解して使うことが重要です。
長井宏憲さんは、隈研吾事務所に入所する前は大学で建築材料の研究をされていました。隈研吾さんが本を作る際に知り合ったことがきっかけで、隈研吾事務所に入ることを決めたそうです。
隈研吾さんの設計は、その素材の特性を最大限に活かす新しい挑戦をした設計が多く見られます。長井さんのように建築材料に造詣の深いスタッフは大活躍されているのだと思います。
講義ではピラミッドやパルテノン神殿からはじまって現代建築まで建築史に沿った有名建築の写真と、それに使われた素材を追っていきました。「木」「金属」「ガラス」「石」「コンクリート」とカテゴリー分けて、その性質を科学的に深めて行きました。
隈研吾さんといえば最近は「新国立競技場」の設計を手がけたことが大きな話題となりましたが、長井さんは、解体した旧国立競技場の「コア抜き」をしたコンクリート片を持ってきてくださいました。「均一に骨材が入っていて、丁寧にコンクリートが流し込まれていることがわかる。さすが国立競技場、良い仕事がされています。」とのこと。
様々な材料の特性を、基本的な部分からわかりやすく解説していただき、実物もドッサリ並べて触れることのできた充実の講義でした。個人的にも大変勉強になりました!長井さんありがとうございました!
報告:講師 松井匠