飛騨高山で森林植物同定実習
『チドリ、ヒトツバ、メグスリノキ、イタヤ、ハウチワ、コハウチワ』、これは本日、高山市清見町で見たムクロジ科のカエデの仲間です。
エンジニア科2年生の「森林植物同定実習2」で、高山市清見町の広葉樹見本林に出掛けました。森林文化アカデミーのある美濃市は灼熱のような状態なのに、高山市の谷間はなんと涼しいことか。
作業路に一歩入ると、最初にシナノキが現れました。版画用の合板や一般合板、昔なら製図台に用いられ、内樹皮は撥水性の高い繊維として重宝されたシナノキ。特徴は何か? 「おいおい、葉っぱ1枚だと、ヒトツバカエデににてるね」などと話しながら樹種同定しました。
ここは道路を入って、約2m区間に、シナノキ、ウリカエデ、ウリハダカエデ、ナツツバキ、ブナなど、飛騨ならではの樹木が目白押し。
次から次へと樹種確認するのに学生は悪戦苦闘していました。
「葉が対生していたら、まずはカエデの仲間を疑って?」
と声をかけると、ちょうどウリハダカエデ、コハウチワカエデなどが生えていました。
「ウリハダカエデも樹皮繊維が有用だったね。」などと学生が話始め、次から次へとカエデの仲間を調べていきました。
ここは猪臥山 (標高1519.1m)登山道口です。谷沿いには広葉樹見本林の代表である大きなヤチダモやサワグルミ、ブナ、ハリギリなどが見られます。
本日の難題は、アカシデ、イヌシデ、クマシデの見分け。
そしてチドリノキ、ヒトツバカエデ、サワシバ、シナノキの見分け、などでした。
下の写真、みなさんはどれが何なのかわかりますか?
最後に、「知らないこと」「わからないこと」、そんなことは問題ではありません。よく似た樹種があったり、カエデの仲間とも思えない樹種があったりして、それを一緒に考えられる仲間と楽しく学ぶこと。これこそが重要なことです。
さぁ、明日の午後はテストです。多分、林業関係者は半分も正解できないでしょうが、森林文化アカデミーの学生は8割近くを正確に回答できると思います。
以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした。