新年度最初の授業は「木工の経営学」
2023年度の木工専攻の授業が始まりました。
「木工の経営学」は、これまでは工房見学中心だった授業を大幅に改め、木工や木育をビジネスとして経営していくための実践的知識を学ぶ内容にしました。講師陣は3人。信用金庫の営業マンを経てアカデミーで学び、今は曲物工房を営む清水貴康さん。森林文化アカデミー教員として勤務後に岐阜市でシェア工房ツバキラボを経営する和田賢治さん。そして岐阜県林政部で森林環境税や木育事業に携わり、民間との協働にも詳しい県職員・河合高志さん。学生たちにビジネスマインドを持ってほしいという思いで意気投合し、チームで指導に当たってもらうことになりました。
木工技術を教えるのは常勤教員の役割ですが、経営ばかりは私たちが教えてもリアリティーがありません。実際に木工ビジネスを営むアカデミーOBに指導してほしいと思い続けて、ついにそれが実現しました。学生たちが一番知りたいことを伝えることができる豪華メンバーだと自負しています。
初回は清水さんが作成した「ビジネスモデルキャンバス」に2年生たちが卒業後のプランを書き込んできて、各自がプレゼン。まだ荒削りですが、これから3ヶ月かけて経営の基礎知識を学びながら磨き上げていきます。
そんな私の中にも「座学をやっている暇があったら少しでも手を動かすべきでは」と苦言を呈する昔気質のもう一人の自分がいたりするのですが、社会における新しい木工の役割が求められる今の時代、きっと役立つ内容だと信じています。
久津輪 雅(木工・教授)