あの丸太の中身はどうなってるの? 『素材から製材品へ』
森と木のクリエーター科 林業専攻2年の杉浦です。
10/30(水)に実施しました『素材から製材品へ』の授業風景をご紹介します。
この授業は素材(丸太)を目的に応じて加工し、付加価値をつける製材を学びます。この日は製材機の操作を教わった後、学生が好きなように存分に製材させて頂きました。
製材するうえで、丸太の中心軸に対して平行に切る中心定規、材面に平行に切る側面定規があります。中心定規で製材するときは、中心軸が製材機の刃に対して平行になるように、丸太の両端の中心(元口、末口の中心)を合わせる必要があります。
人手での調整や製材の都合もあるため、製材機の2mmの刃が丸太の中心軸を通すことはなかなか無いのですが-
上の写真には2枚の板が映っていまして、板の真ん中の茶色の線は髄(ずい)、髄から横に出ている跡は枝の跡です。一般市場にはなかなか見ない板ですが、樹木の勉強のためにはよい板です。木がどう育ってきたのか、少しわかる気がします!
先生「午後は何を挽きますか?」
学生「モメの丸太の中身がどうなってるのか、気になります!」
ということで、午後はモメのある丸太を挽いてみました。好きに挽かせてくれる先生に感謝です。モメとは、立木に強い風などが当たることで起きる圧縮破壊のことで、モメが起きた場所は樹皮に横線が入ります。そのモメが起きた材の中はどうなっているのか。ということで、
切って。
切って。
切りました。並べると壮観です。普通の製材所ではこんなことやりません。
スライスした材を見てみると、モメが原因となって中に変色しているであろう箇所を見つけたり、モメの影響らしい材の内部の歪みも確認できました。欠点といわれるものは言われるべくして言われているかもしれません。ただ、素性の悪い材も挽いてみると綺麗な色と面が表れることもあり、一概には言えないのが製材の難しい所です。学生の検討は白熱し、先生からも「ここまで面白くなるとは思わなかった」と嬉しい言葉を頂きました。
木の中身を知るための製材をさせて頂き、製材の奥深さ、面白さを知った充実した一日でした!
森と木のクリエーター科 林業専攻 2年 杉浦 義隆