エンジニア科「里山資源の様々な利用」で染色体験
昨日のエンジニア科の実習で身近な植物材料を使った染色を行いました。
そもそもこの授業「里山資源の様々な利用」は、その授業名の通り里山の森林資源の利用を体験を通して学ぶもので、他には粗朶、きのこ栽培、炭焼き、和傘ろくろのエゴノキの利用などの内容も含まれています。
今回の実習では栗のイガ、揖斐川町の実習見学で入手した茶の実の殼、そのあたりに蔓延っている外来雑草のメリケンカルカヤを染色材料に用いました。また媒染剤として錆びた鉄クズを酢酸に漬け込んだ「鉄媒染液」と焼きミョウバンをお湯で溶かした「アルミ媒染液」を用意しました。
染める布は綿のハンカチ。綿素材はウールや絹と違って染まりにくいので、タンパク質のもので下地をつけておくと染まりやすくなります。牛乳でもいいのですが、牛乳くささが残ってしまいますので今回は豆乳を2倍に薄めたものにハンカチを浸け、軽く絞って乾かしました。
乾いたハンカチはタコ糸や輪ゴムで絞りを入れたり、細長い板で折りたたんだハンカチをはさんで板締めをします。縛ったり、挟んだ部分に染色剤が入らずに白い模様として残るはず。
栗のイガなどの材料をグツグツ鍋で煮込んで、染色液を作ります。2回くらい材料を入れ替え染色液の濃度が濃くなれば材料をザルで濾しとります。
できた染色液に布をつけ、温めながらしばらく染めていき、
取り出して水ですすいで、今度は媒染液に投入。
これを繰り返すことで色が濃くなっていきます。
栗イガや茶殻はアルミ媒染だと茶色、鉄媒染で濃いグレー、メリケンカルカヤは鉄媒染だとやや緑がかった薄い茶色、アルミ媒染でレモンイエローっぽい黄色となりました。
個性豊かなMyハンカチが完成です。最後に皆で記念撮影して終わりました。
かつてはヌルデの虫こぶ(ヌルデミミフシ)やキブシの実のタンニンをお歯黒に使ったりもしていましたし、ヤシャブシやハンノキの実、様々な樹木の樹皮なども染色材料として用いられてきました。また藍染や黄櫨染なども植物を使った伝統的な染色方法として聞いたことがあるかもしれません。今では自然染料に触れる機会は多くありませんが、今回の実習を通して身近な自然素材を自分たちの工夫で日常に取り入れたり、価値を生み出したりできることに気づいてもらえると幸いです。(教員 津田)