里山SUNDAYS~山里の古民家で田舎暮らしの作法を学ぶ月1回のクラブ活動~2019年度報告
森と木のオーブンカレッジ連携講座として2017~2018年度に展開した「里山インキュベーターいびがわ」は、里山資源を活用した小さな起業(生業づくり)を通じて山村集落に関係人口や移住起業者を呼び込み、里山景観の保全や自然資源管理の改善を図ることに貢献する起業者を育てることを目的に行われました。
この講座の中で提案された10件の起業プランからヤマノカゼ舎の「山の保存食カフェ」を題材に選び、2019年度は「山村の伝統知を再編集し起業につなげる里山インキュベーター社会実験」を実施することになりました。
2019年度のオープンカレッジ連携講座「里山SUNDAYS」はこの社会実験と連動して、前半は山の保存食に関する体験型調査、後半は保存食カフェのメニューの開発を行いました。
前半「揖斐川上流域の山の保存食に関する体験型調査」を季節を変えて4回実施:ワークショップ型の体験調査とするため、事前に保存食レシピや食材の資料調査を行い、各回に現地の方を講師に迎えて実施しました。5月:古民家周辺のタケノコの収穫と発酵食品であるシナチク作り、6月:伊吹山の薬草栽培地を訪ねて収穫作業の体験と薬草の活用法を学ぶ、8月:[山のごはんの日]企画として夏野菜を使ったわっぱ飯づくり、9月:古民家改修こと始めと旧徳山の郷土料理「地獄うどん」作り。
後半「山の保存食を再編集しカフェメニューを開発するワークショップ」も季節を変えて4回実施:7月:伊吹山の薬草料理「元祖伊吹薬草弁当」再現ワークショップ、11月:伊吹山の薬草料理と薬膳イタリアンのコラボ料理の調理実習、12月:旧徳山村の講師を招いて「徳山どうふ」作りの実習。1月:旧徳山村で農園を営む講師を招いて伝統的な保存食惣菜の調理実習。
これらの活動を通して都市部の20~30代の女性と県内の50~60代の女性のリピーター率が高くSNSの発信への反応も高かったことから、顧客層の姿が見えてきました。また、リピーター参加者や地元協力スタッフの中から保存食カフェの運営スタッフ4名を確保することができ、4月中に「存食カフェ 餐-SAN-」として開業する予定です。どうぞご期待ください!1年間ありがとうございました。
担当教員:嵯峨創平(森林環境教育)