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2016年07月30日(土)

里山インキュベーターいびがわ2016第1回―「古民家リノベで集落再生」は満員御礼!

「里山インキュベーターいびがわ」2016年間講座(全6回)がスタートしました。第1回は一般社団法人ノオト代表理事の金野幸雄さんを講師にお迎えして「古民家リノベで集落再生」と題して、7月23日(土)夜7時から実施しました。会場は揖斐川町北方の築100年の「星降る古民家」。
揖斐川町「星降る古民家」

 

講師の金野幸雄さんは、アカデミー生涯教育「古民家リノベーション事業プランニング講座」でも3年間お世話になっていますが、兵庫県篠山市を中心に過去6年間で60棟もの古民家リノベ事業を成功させた「古民家活用による地域再生」の日本のトップランナーです。その優れた手法と実績は、国の「歴史的建造物の規制緩和による特区設置」にも影響を与えています。

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今回はそんなノオトの古民家リノベーション事業の原点ともいうべき篠山市の山間部にある限界集落・丸山のお話でした。平成21年に篠山市の景観形成事業でノオトが集落ぐるみワークショップを半年間に15回実施しました。その時点の集落人口は5戸19人、耕作放棄地は50%に上っていました。ノオトの提案と住民の合意で空き家3棟を「農家民宿」1棟を「フレンチレストラン」に改修する事業計画がまとまり、集落住民が設立したNPO法人「集落丸山」とノオトが協働で運営を行うことになりました。

1棟貸しの農家民宿は1泊3万円の価格設定。初めは「そんな値段でお客さんが来るわけがない」と半信半疑だった住民も、古民家の魅力や集落のたたずまいが良いというお客さんが実際に来て、朝食提供やベッドメイクの雇用が生まれ、集落出身の若い女性がフロント係としてUターンなどの動きを目の当たりにすると本気になりました。神戸から移り住んできた一流のフレンチシェフによるディナーは遠方からも客を呼び、時には農村ウェディングなども行われました。住民の暮らしとバランスが取れる稼働率3割という線で利益を上げています。

 

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平成27年時点で、丸山集落の人口は6戸23人と2割増加、そして耕作放棄地は0%になりました。これは都会から有機農業や農業ボランティアの団体が定期的にやって来るようになった結果です。どこにでもある山村集落のどこにでもある悩みを、古民家リノベーション事業を核としてコミュニティが一体となって創造的な手法で解決した経過に、参加者一同とても刺激を受けました。

 

会場の「星降る古民家」には、西濃地域、揖斐川町内、そして地元自治会からも多数の参加者が詰めかけました(総勢42人の満員御礼)。ここを今後「里山インキュベーターいびがわ」の拠点として活用・改修していくために、準備段階として(揖斐川町駐在員)嵯峨が一週間前に移り住んだばかりでしたので今回はそのお披露目にもなりました。これから「星降る古民家」で始まる活動や出会いを参加者や地域住民の方々に予感していただけたでしょうか。2時間のカフェ終了後も熱心に話し込む参加者の熱気に、今後の手ごたえを感じた第1回でした。

担当: 嵯峨創平(揖斐川町駐在)