「今日、森のことを考えましたか?」~私の森.jp編集チームを迎えて
9月21日(水)夕刻から、森林文化アカデミー・テクニカルセンターにおいて、里山ビジネスカフェみの(第2回)「私と、森。 森を伝えるということ」を開催しました。ゲストは東京で活躍するクリエーター4人、いずれも「私の森.jp」というウェブサイトの制作を担っているエディター、デザイナー、コピーライターの皆さんです。
前半は、編集長・赤池円さんの講義から。2007年、環境ジャーナリストの枝廣淳子さんの呼びかけに応じて集まったクリエーター達が試行錯誤しながら創り上げてきた「私の森.jp」というサイト。「今日、森のことを考えましたか?」というキャッチコピーの通り、都会に住んで森とは(一見)無縁な日常を送っている人たちに向けて「森のことを伝える」ことを使命に掲げたメディアです。
とはいえ、スタート時は編集スタッフ全員が森林や林業に関してはズブの素人でした。そこで採用したのが、編集スタッフ自らが学びながらコンテンツやテーマを探していくという方法。初めは「日本の森の現状」といった基礎的なデータ整理から、これまで8年間にテーマ化してきたのが、植林と間伐、森林ボランティア、日本の森と世界の森の異なる状況、生態系サービスと森羅万象、里山と禿山、3.11とエネルギー、合板と無垢材需要など、森林・林業をめぐる先端的な話題が並んでいます。
森林・林業に関心の高い森林文化アカデミーのような集団にいると当たり前のように受け入れている言葉やデータを、言葉のプロである編集者たちは、読み手の関心に近づき、言葉の違和感を取り除くことに注意を払いながら、柔らかな問題提起を続けてきたのだと思います。
そんな真摯な態度にアカデミーの学生たちも大いに触発されたようです。後半の質疑では、自分の研究テーマをどのように都会の人々へ伝えたら良いか、山側の思いと都会のセンスの差に生まれるもどかしさをぶつけてみたり…。会場の質疑だけでは足りず、2次会の議論も夜遅くまで続いたのでした。
担当 嵯峨創平(揖斐川町駐在)