山村経営の人・資源・技術で郡上市明宝を訪ねる
山村経営の人・資源・技術 という講義を受けました。
受講生3人 篠木柚香(ゆず)、佐藤聖人(マサ)、森一九(いっきゅう) で報告します。
まずは、ゆずからの報告です。
“山村経営”とひとくくりに行っても、市町村ごと、村ごとに“様々な強み”を持ち、いろんな
人の力で村が動いています。今回は郡上市にある明宝村へ行ってまいりました。
明宝といえば……
明宝ハム!が有名ですが
今回はそちらの方は置いといて、
町おこしの一環で様々な人を呼び寄せる場所へ
共同貸し古民家。
入口の水車は実験水車で、水力発電を行っています。
屋根にはソーラーパネルもついて、環境に配慮した動力がある暮らしになっています。
岐阜県では過去の資料によると、中部電力がくる前までは、村のみんながお金を出し合っ
て、水力発電を行っていた記述があるそうです。
この古民家で、都会の方との交流をします。
田舎の仕事を手伝うことでの交流、草刈りや地区の野良仕事の体験などを行っていたりし
、ピザ窯で料理などしているそうです。
最近ではターゲットを絞って、呼び寄せる方針へシフトし、さまざまなクリエーターや写
真家の人たちが明宝に移住し、明宝の良いところの情報発信をしているそうです。
次、マサのレポートです。
続いて訪れたのは、明宝温泉「湯星館」。温泉入りに寄ったワケじゃないですよ~!
ここの温泉の熱供給の仕組みを見に訪れたのです。
その名は「木質バイオマスボイラーセンター」。
なになにそれ!?と思いますよね。
簡単に説明すると地元の木、それも放置されていた間伐材を、
地元の方たちの力で山から運び出し薪にして、
それらを燃やした熱でお湯を加熱したり、施設の暖房に利用したりしているのです。
つまり・・・エネルギーの地産地消!
いい響きですね♪
CO2の削減や施設全体でのコストダウン、
林地残材の有効利用、地元のマンパワーの活用に繋がるなど、
とっても素敵な取り組みでした。
このような取り組みがもっと拡がるといいですね
いっきゅうです。午後からは明宝歴史民俗資料館を訪れました。
廃校を利用した資料館はありがちな形式ですが、ガラスケースの中で綺麗に展示されて
いる所とは違い、ここは村の人々の思いが、国の重要有形文化財3500余点とともに
「これでもか!!」と文字通りぎっしりと詰まっていて、どんな時代に、どんな人の手
で作られ、だれがどんな思いで使っていたのかを僕らに熱く語り掛けてくるのです。
(破子/わりご)街に住む僕らが”おしゃれ”に使っているわっぱ弁当箱と同じものです。でも
使い方が違いました。”毛抜き合わせ”といって、蓋だと思っていたところにも飯(お米はあ
まりなく雑穀が主)をつめると毛抜きの先のように重なる余地がなくなります。おかずは別
に小型のわっぱ(菜入れ/さいれ)に味噌と漬物。箸は現地で作ります。山人達はこの弁当箱
一つで、五人の子供をしとねた=養ったと言います。
(猫いずみ)ネズミから食べ物を守ってくれる猫はとっても大事にされました。
どれも平気で触らせていただける!! いいのだろうか?? でも伝わります。
ほんの僅かしかご紹介できません。皆様もぜひ訪ねていただきたいと思います。
この資料館を作られた、故 金子貞二先生の「たくさんの人に見てもらう」という意思
を引き継ぎ、テーマを決めて資料を道の駅などに持ち出し”分散展示”をしたりします。
ご案内いただきました、原さん、古池さん、貴重な時間をありがとうございました。
話は尽きず、全てを見ることもできず、僕らもなかなかその場を離れることはできなかっ
たのですが、最後に「道具は必要があって作られたのです」と原さんの言葉は沁みました
。
明宝も、過疎地と呼ばれる山村でしたが、地元の人の思いと、外から地域に価値を求め移
り住もうとする人たちと、山林や木材利用の新たな技術が出会い再生に向けて動き出して
います。
その行方を、見させていただき、関わらせていただき、多くの人に伝えさせていただきた
いと感じた一日でした。
担当教員 嵯峨創平