林業技能検定|2021年度後半
今日は先週に引き続き,林業技能検定の二日目,2)樹木同定技術と3)森林調査技術を実施しました(先日の1)林業技術についてはこちらの記事を御覧下さい)。
【2 樹木同定技術】
今回の検定では,学内や演習林に植栽または自生している樹木から50種を出題し,30種以上(6割以上)を合格ラインとしました。
今の時期,常緑樹は葉があるので見分けやすいのですが,落葉樹は葉を落としている,もしくは枯れた葉が少し残っているだけの状態です。このような状況下で落葉樹を見分けるには,幹や冬芽,樹形など,あらゆる知識を総動員する必要があります。難しいのですが,むしろ落葉期に伐採を行う方が多いので,広葉樹資源を活用するためには,このような同定技術が必要です。
【3 森林調査技術|目測】
引き続き,演習林で目測に関する検定を実施しました。この項目では,単木レベルと林分レベルの2つの異なるレベルでの目測技術を検定します。
単木レベルでは胸高直径と樹高を目測します。体の一部を使ったり,遠くから眺めることで大きさを推し量ります。合格ラインは15%以下としました。
林分レベルでは指定された人工林の本数密度と蓄積を目測します。いずれも経験を積むと,ぱっと見て,このくらいかなという値が感覚として身についてくるのですが,最初のうちはなかなか難しいものです。こちらの合格ラインは20%以内です。目測の項目では,単木と林分の全体を通しての合格ラインは2/3ですが,単木で20%以上,林分で30%以上の大きなミスが一つでもある場合は不合格としました。
【3 森林調査技術|測量】
最後は測量技術です。この項目では,指定された10点の杭をもとに仮想プロットのコンパス測量を行い,そのデータを元にパソコンで図面を作成します。
2–3人一組になってコンパス測量を行いました。閉合比1%以内が合格ラインです。
画面上ではうまく閉じているように見えますね。さて,結果はどうだったでしょうか?
【おわりに】
今年の林業技能検定では,1〜3の全項目で合格となった学生は,残念ながらいませんでした。全体を通しての合格者は,例年1人いるかいないかですが,激難の青森りんご検定よろしく,簡単すぎては価値がありません。来年は合格者が出るように,現エンジニア科1年生は今から鍛錬を積み重ねておいて下さいね。
教員:玉木