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2022年07月08日(金)

岐阜樹木育苗センターを見学してきました

岐阜樹木育苗センターの外観

岐阜樹木育苗センターの外観

エンジニア科1年生の実習「林木育種・育苗」で,住友林業株式会社の岐阜樹木育苗センターに行ってきました。同センターを管理されている川添さんと木下さん(なんと木下さんは本学エンジニア科の卒業生!)に案内してもらいました。

センターの取り組みについて解説を受けている様子

川添さんに解説を受けている様子

まずは座学で同センターの取り組みについて解説をしてもらいました。住友林業はここ最近,全国に6箇所の育苗センターを開設しています。その中でも岐阜は宮崎に次ぐ生産能力があり,年間40万本の苗木を生産可能とのことでした。

種子選別機

同センターで利用している種子選別機です。これは住友林業と九州大学が共同で開発した機械で,発芽率の高い種子を選別することができます。スギの場合は90%,カラマツは80%の発芽率になるそうです。もともと林業用のスギなどの種子は発芽率が低く,20〜30%くらいなので,この発芽率はすごいです。これを種まき機も使って,効率良くトレイに蒔く様子も見学させてもらいました。

そのほかにも,写真はお見せすることができないのですが,効率的な苗木生産や灌水施設も見学させてもらいました。

閉鎖型採種園の見学

閉鎖型採種園の見学

最後に,野菜生産のビニールハウス跡を活用したスギの特定母樹による閉鎖型採種園を見学させてもらいました。特定母樹は第2世代精鋭樹であるエリートツリーによる採種園です。なぜ閉鎖型なのかというと,外部花粉の混入を防ぎ,エリートツリー同士の交配による種子を効率的に生産するためです。スギは風媒のため,野外にある通常の採種園だと,外部花粉の混入が無視できないのです(外部花粉の混入は数十%になることもあります)。

今回は,ちょうど先週の同授業の座学で,林木育種の基礎について学んだところだったので,特定母樹が活用されている現場を見て,理解が深まったのではないでしょうか? このようにこの授業では,普段の苗畑の作業やコンテナ苗作成の他にも,座学や見学を行い,多角的に林木育種や育苗について学んでします。秋には郡上市白鳥の林木育種事業地にも見学に行きます。また報告しますので,どうぞお楽しみに。

教員:玉木