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2017年04月27日(木)

林木育種・育苗2017第1回

今年もエンジニア科1年生の実習,林木育種・育苗が始まりました。この授業では,晴れの日は外で苗畑作業を,雨の日は林木育種や育苗に関する座学を行います(基本は晴耕雨読なんですが,日によっては雨でも作業せざるを得ないこともあります…)。

既に先週3日間の授業が終了しているのですが,どたばたしていて報告が遅れてしまったので,まとめて3回分報告します。

初日(4/17)は,苗畑に植えてあった広葉樹苗(コナラ,アズキナシ,ウリハダカエデ,シナノキ)の堀取りと植栽を行いました。雨の中,備中ぐわやシャベルで全19個の苗を堀取り,学内のスラッシュマツの伐採跡地に植栽しました。雨の中の作業であったので写真はありません。

2日目(4/20)から,いよいよ本格的な苗畑作業が始まりました。前日の「森づくり実習」の後半で,3年生苗の堀取り・仮植が済んでいたので,その続きで,2年生苗と1年生苗の堀取り・仮植を行いました。写真は2年生苗(2015年春に発芽)なんですが,だんだん畑の土が良くなってきたおかげで,地上部・地下部ともに山出しできる個体がたくさん育っていました。

40 cm以上で地下部が充実したもの(山出し)とそれ以外に仕分けし,仮植しておきました。掘りとった2年生苗は2種類あり,一つは白鳥の育種場からもらってきた精英樹の種で作った苗,もう一つは演習林の伐採跡地に発芽していた実生から作った苗です。いずれも良い苗に育っていました。

堀取りが終わった後は,畑を備中ぐわでおこし,堆肥や石灰,ネキリムシ防除の薬をすき込んでいきます。堆肥の大半は,昨年の実習で現2年生が雑草や落ち葉で作った堆肥になります。今年も来年の1年生に引き継げるよう,たくさん堆肥を作りたいですね。

すき込んだ後は,ふるいで土をふるって細かくしていきます。毎年作業していると,だんだん土が良くなってきて,ダマの大きさが小さくなってくるのを感じます。でもまだけっこう石が出てくるんですよね。皆で石を拾い集め,柵の外に出すと,けっこうな山になります。

よーくふるった後で,メジャと水糸で計測しつつ,くわを使ってうねをつくります。キレイにうねができたら,よけてあった苗を植えていきます。根が長すぎる場合はハサミで切り,等間隔で移植ゴテをつかって丁寧に植え付けていきます。この日は1年生苗を半分ほど植え付けたところで終了。丸一日の作業でしたが,一日で最後までやるのはちょっと難しいですね。

3日目(4/21)は,昨日の続きからです。全ての苗を植えきるのに半日以上かかりました。

今年はたくさん苗ができたおかげで,苗畑の全面を使い切ることができました。これまでは1-2うねが空いていたので,雑草畑となっていましたが,今年は有効活用できそうです。

午後から,種まきの説明をし,1000粒重や特苗率を使って,どのくらいの数の苗ができそうなのかを計算した後で,種まきを行いました。今年は昨年白鳥の育種場で採取させてもらったヒノキの種に加え,同育種場からいただいたスギの種も蒔きました。覆土と敷き藁をして水をやって完成です。ここから水やりと草とりの半年間が始まります。エンジニア科1年生のみなさん,来年の入学生に引き継げるよう,頑張って作業していきましょう!

報告:玉木(教員)